Streaming SIMD Extensions
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ストリーミング SIMD 拡張命令 (SSE, Streaming SIMD Extensions) は、インテルが開発したCPUのSIMD拡張命令セット、およびその拡張版の総称である。元々はインターネット・ストリーミング SIMD 拡張命令 (Internet Streaming SIMD Extensions, ISSE)と呼ばれていたが、インターネットとは直接関係のない、画像や動画の処理に関する命令が多くなったために、インターネットの文字が取り外され、現在の名称となっている。
SSEの機能を強化したものにSSE2やSSE3、SSSE3 (Supplemental Streaming SIMD Extensions 3) がある。また、SSEは他社製品にも採用されている。
目次 |
[編集] 歴史
- 1999年 2月: インテルがSSE搭載のPentium III プロセッサを発表。
- 2000年 11月: インテルがSSE2搭載のPentium 4 プロセッサを発表。
- 2004年 2月: インテルがSSE3搭載のPentium 4 プロセッサを発表。
- 2006年 6月: インテルがSSSE3搭載のXeon 5100 プロセッサを発表。
- 2006年 7月: インテルがSSSE3搭載のIntel Core 2 プロセッサを発表。
[編集] SSE
SSEは、MMX テクノロジに70個の命令を追加することで、その弱点であった浮動小数点演算の高速化を実現した。具体的には新設された8本の128bitレジスタに32bit単精度浮動小数点データ4個を格納し、同時に演算できるようにしたものである。
Pentium III にはじめて実装された。Pentium III の開発コードネームが Katmai であったことから、KNI (Katmai New Instructions) やMMX2とも呼ばれていた。廉価製品のCeleronにおいても、その第三世代製品 Coppermine-128k よりSSEに対応している。
AMD社によるSIMD拡張命令セット、3DNow! プロフェッショナル・テクノロジは、SSEと互換性がある。
[編集] SSE2
SSE2は従来のSSEに144個の新たな命令が加えられ、一度に扱えるデータの数も増加した。具体的には64ビットの倍精度浮動小数点データ及び整数演算の追加、キャッシュの制御機能の強化がなされた。
SSE2はPentium4で初めて実装された。
AMD社のAMD64アーキテクチャには、SSE,SSE2が必須となっている。
[編集] SSE3
SSE3はSSE2に13個の新たな命令が加えられた。具体的にはメモリアクセス及び複素数計算の高速化、仮想CPUのスレッドの動作制御などの機能が搭載され、主に動画圧縮の処理が向上した。
SSE3と名付けられる前はPNI(Prescott New Instructions)という名称があった。PNIはその名称を示すとおり、Pentium4のPrescottコアで初めて実装された。
[編集] SSSE3
SSSE3はSSE3に32個の新たな命令が加えられた。 Coreマイクロアーキテクチャベースのマイクロプロセッサで初めて実装された。
SSSE3と名付けられる前はMNI(Merom New Instructions; 旧称Tejas New Instructions)という名称があった。登場当初はSSE4と呼ばれると一般的には思われていた。
[編集] 関連項目
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