Uマチック
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Uマチック(ユーマチック、U-matic)とは、家庭用として初めてカセットにテープが収められた、U規格ビデオテープレコーダのソニーにおける商標。テープ幅3/4インチのカセットを使用する。 そのほかに、別体プロセッサを利用してデジタル音声記録用途に使用されCD-DAのマスターとして普及。
[編集] 変遷
- 1969年10月29日発表。
- 方式:ヘリカルスキャン方式。3/4インチのカセットテープを使用する。
いままで、オープンリールでかけかえなどわずらわしかったビデオに画期的なカセット方式は、多くの人の注目を浴びる。発表当時、芸能界でも多くがこのカセットビデオを購入。バッキンガム宮殿にも納入された。
ソニーはこの時、いろんなタイプのカセット式VTRが他社からも出されていたので、世界中に普及させたいという希望から、規格統一のため万国博覧会のあった1970年3月、松下、ビクター、その他海外メーカー5社と規格統一の合意を行い「U規格」が誕生した。
60分テープではテープもデッキも高価で一般にはなかなか普及をしなかったが、おりしも放送局がフィルムからビデオテープを使ったENGへと移行してきていた。さらにポータブルタイプの3/4インチS(スモールカセット)が開発され、バッテリー駆動のポータブルビデオと、軽量小型化されたカラーカメラも開発されたため、ビデオが屋外に飛び出てフィルムに変わるニュース取材の始まりとなる。
その後、フィルム取材も一気に3/4インチビデオカセットでのENGへと移行した。 その後ENGは、家庭用のベータカセットを3倍速(βIモード比)でコンポーネント録画するのベータカムが登場し、カメラ部とビデオ部が一体化したドッカブル方式へと移行することになる。
また、音楽の世界もPCMプロセッサーを介在したデジタル録音の時代となり、Uマチックビデオカセットはその記録媒体として使用されることになる。
その後、ベータカムもメタルテープを使用したベータカムSPの規格が登場。 1インチオープン型ビデオテープに匹敵するほどの画質となり、その影響でUマチックもSPタイプを登場させるが、DV規格などの登場により、栄光の座を明け渡すこととなる。2000年6月にVTRの生産が終了。ソニーではメディア変換サービスを行っている。[1]