Y十M ~柳生忍法帖~
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『Y十M ~柳生忍法帖~』(わいじゅうえむ やぎゅうにんぽうちょう)は、原作:山田風太郎、漫画:せがわまさきによる漫画。2005年第20号から「週刊ヤングマガジン」に掲載中。基本的に不定期連載で隔週だった時期もあるが、現在は2~3週連載して休載するペースで連載している。2007年2月までに第6巻まで発刊、第7巻は同年初夏刊行予定である。
「因果応報」をテーマにした、江戸初期を舞台に繰り広げられる壮大な復讐劇である。
なお、原作は山田風太郎の忍法帖シリーズ、『柳生忍法帖』である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
基本的なあらすじは『柳生忍法帖』の項を参照
[編集] 主な登場人物
- 柳生十兵衛三厳(やぎゅう じゅうべえみつよし)
- 将軍剣術指南役であったが、その奔放な気質より任を解かれ今は回国修行の身。ノホホンとした外見だが、屍山血河に身を投げることをいとわぬ実力と勇気を持つ。沢庵和尚の紹介で、堀の女七人に対し会津七本槍を討つための戦い方の指南と訓練を行っている。その腕は七本槍達とも互角以上に闘う実力はあるのだが、誓約上彼女達の指南と助太刀に廻ることに徹している。剣難に強いが女難には弱いところも。
[編集] 堀一族の女七人
彼女達の手によってのみ七本槍を討つと誓っている。彼女達は武家の子女であるが、特に武術に秀でた訳ではない。会津藩内で噂にのぼった美女揃い。
- お千絵(おちえ)
- 堀主水の娘。19歳。七人のリーダー格。その美貌ゆえ明成が妾にしようと主水に持ちかけ、彼が明成を狒々になぞらえ手ひどく突っぱねたため、主君間の憎悪が燃え上がったという経緯がある。
- お笛(おふえ)
- お千絵の端女。18歳。天真爛漫で怖いもの知らず。その無鉄砲をお千絵や十兵衛にたしなめられることも。彼女だけ東慶寺で剃髪したため、髪が短い。
- お鳥(おとり)
- 堀家家臣・板倉不伝の娘。20歳。ふくよかな肢体とコケットリィを持つ。
- お圭(おけい)
- 堀家家臣、稲葉十三郎の妻。25歳。凛とした雰囲気がある。
- さくら
- 堀主水の弟・真鍋小兵衛の娘。17歳。中性的な容姿と勇敢な性格を持つ。
- お品(おしな)
- 堀家家臣、金丸半作の妻。27歳。艶かしい色香があり、泣き黒子が特徴。
- お沙和(おさわ)
- 堀主水の弟・多賀井又八郎の妻。30歳。仕立物が得意で、淑やかな優しい性格。
[編集] 支援者たち
- 天樹院(てんじゅいん)
- 徳川家光の姉であり、豊臣秀頼の正室であった千姫。東慶寺の天秀尼の義母にあたり後見人でもある。いまもって豊臣家の家紋を使用する大胆不敵な性格。もしも姉である彼女が、弟である将軍に直訴すれば明成に処断は下されるであろう。しかし彼女は、女の寺の秩序は女の手で守るべきだと考え、堀の女七人の復讐に手を貸すことにしたのである。
- 沢庵宗彭(たくあん そうほう)
- 万松山東海寺住職。天樹院の依頼で十兵衛を女達に紹介した。柳生家とは十兵衛の父・宗矩の代から懇意にしている。徳と名声高く、将軍家にも顔が利く。江戸では潜伏場所を提供、会津行には配下の竜王坊・十乗坊・心華坊・嘯竹坊・多聞坊・雲林坊・薬師坊らとともに同行する。天海に対しては過去の経緯から心からの尊敬と恩情を抱いている。
- おとね
- 古河本陣・紙屋五郎右衛門の娘。その美貌ゆえ会津に帰国中であった明成の毒牙にかかってしまう。沢庵一行が救出し、その後は彼ら(主に沢庵)に同行する。
[編集] 会津七本槍および会津加藤家縁者
堀一族の女達が復讐を誓う者ども。伊達政宗侵攻以前、会津をおさめており、現在は芦名銅伯が率いる芦名衆の頂点に位置する。全員が武芸を極めており、又明成が与えた女を「花地獄」と呼ばれる部屋でいたぶり、会津では領民を苦しめる尖兵となるなど残虐非道な面々である。
- 大道寺鉄斎(だいどうじ てっさい)
- 鎖鎌を扱う老人。女衒まがいの役目を負うことが多いようだ。
- 平賀孫兵衛(ひらが まごべえ)
- 会津七本槍唯一の槍使いで、長槍を扱う。数人を貫いた槍を片手で振るうなど、かなりの強力。
- 具足丈之進(ぐそく じょうのしん)
- 3匹の大型の秋田犬天丸・地丸・風丸を操る獣使い。犬を使うが、本人は猿にそっくりと揶揄される。小心者で七本槍の仲間からも軽んじられている。
- 鷲ノ巣廉助(わしのす れんすけ)
- 「強力無双」とも評される怪力と、矢をも跳ね返す鋼の肉体(但し、刀は通用する)を持つ巨体の拳法使い。東慶寺の門を素手でぶち抜く程の腕を持つ。性格は猪突猛進型。
- 司馬一眼坊(しば いちがんぼう)
- 鞭を自在に操る巨漢。名前通り隻眼である。七本槍中では常識人の知能派で、明成や銀四郎をたしなめたり、計画立案を行っている。
- 香炉銀四郎(こうろ ぎんしろう)
- 兄・銀三郎が悶死した跡を継いだため最年少。女の毛で編み特殊な油を塗った「霞網」というあやしげな武器を使う。前髪に振袖の小姓姿が似合う美少年だが、顔面中央に刀痕が走る。明成や天樹院に対しても大胆な口を利き、周囲からたしなめられることがある。さくらに片恋慕していたと思われる発言がある。
- 漆戸虹七郎(うるしど こうしちろう)
- 隻腕の剣豪。十兵衛とは互角の実力であると認めてあっている。人を斬る前には花一枝を口に銜える。
- 加藤明成(かとう あきなり)
- 加藤嘉明の子で会津藩四十万石加藤氏の2代目にあたる。人望皆無で父から使える老臣を疎んじ、会津土着の芦名衆の力を背景に暴虐の限りを尽くすようになった。伊達政宗に対し一歩も退かぬ大胆さもあるが、根は暗愚である。
- 芦名銅伯(あしな どうはく)
- 芦名衆の頭目。107歳。かつて明成の危機を救い、それをきっかけにして彼に取り入った人物。見た目は天海に瓜二つ。
- おゆら
- 明成の御国御前(領地における妻)。27歳。芦名銅伯の娘であり、妖艶な美女である。
- 芦名衆
- 会津藩において、伊予から従ってきた譜代の加藤家家臣は掘一族はじめ明成に批判的であった。一方で没落していたのを取り立ててられた芦名衆はそういった感情はなく、むしろ恩顧の念を抱いている。彼らは銅伯指揮下のもと鉄壁の結束力と高い戦闘力を有しており、十兵衛一行を阻む手強い尖兵として立ちふさがることとなる。
[編集] その他の人物
- 徳川家光(とくがわ いえみつ)
- 第三代徳川家将軍、天樹院の弟にあたる。不幸続きの姉のことをいたわっている。堀主水の一件には心を痛めているが、ここで明成を処断することは主水の謀叛を幕府が肯定することとなるゆえ処分を下せずにいる。
- 南光坊天海(なんこうぼう てんかい)
- 寛永寺第一世にあたり、徳川家康の代から将軍家の相談役である。年齢は107歳であるとも言われる伝説的な人物。芦名銅伯と瓜二つの外見である。明成帰国に伴い会津へ向かう。
- 松平信綱(まつだいら のぶつな)
- 幕府老中で官職名から「智恵伊豆」と称される切れ者。堀一門の惨劇については静観の構えである。しかし柳生宗矩とこの一件を話題にし、さらに晒し者にされた明成に嫌味を言うなど不快の念を覚えているようだ。(余談だが原作では明成が晒し者にされた際に嫌味を言ったのは彼ではなく、伊達政宗)
- 柳生宗矩(やぎゅう むねのり)
- 元将軍家剣術師範であり元惣目付でもあった、異例の出世を果たした剣客。今も家光に諫言できる立場にある。十兵衛の父であるが現在は勘当中。厳格な彼と息子はそりが合わないようである。
[編集] 原作との相違点(ネタバレ注意)
カッコ内での記載が原作での展開である。
- 二巻、吉原に潜入したのがさくらである。(お千絵が男装なしで潜入)
- 五巻、江戸花屋敷に潜入したと判明したのがお千絵、お笛、さくらである。(お笛、さくら、お沙和)
- 五巻、竹橋で晒し者にされた明成に嫌味を言ったのが松平伊豆守である。(伊達政宗)
- 五巻、東海寺で丈ノ進を討ったのがお沙和(お品)、天丸を討ったのがお品(お笛)である。