ごみ屋敷
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ごみ屋敷(-やしき)とは、ごみが野積みの状態で放置された、ゴミ集積所ではない建物(主として居住用)もしくは土地のこと。自分で出すごみはもとより、近隣のごみ集積所からごみを運び込んだり、リサイクル業を営んでいるとしてごみを溜め込んだりする。悪臭やネズミ、昆虫(特に害虫)の発生により被害が近隣の住宅に及ぶほか、ボヤや放火などの犯罪に遭いやすいことから問題視される。このため、大事件が発生しない時期に、主に民放テレビキー局のワイドショーやニュースの隙間ネタとして取り上げられる。 ごみ屋敷が発生する背景にはさまざまな理由があるものと考えられるが、たとえばごみ分別は、ごみ分別をおこなう各個人には直接的なメリットがなく、処理が煩雑になること等への不満などがあるとされる。
ちなみに「ゴミ屋敷」「ネコ屋敷」「ハト屋敷」はI&Tプロジェクト(パワーヘルパー)という企業が商標登録をおこなっている。
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[編集] 一般的な状況
ごみ屋敷を作ってしまう人(屋敷主)は大半がその土地・家屋の所有者本人であり、中には周辺に不動産を複数所有する資産家である事が少なくない。多くが老齢で独居(結婚していても別居しているか、離・死別あるいは独身)である。知人友人がなく、親類縁者とも疎遠で、地域住民から完全に孤立している。
別のケースとしては、住人が不在のまま長期間放置された民家や不動産物件に近隣住民がごみの不法投棄を繰り返し、現有者がこれに対抗措置をとらないまま放置したため発生するものがある。この場合は近隣住民(おそらく少数の特定人物)のモラルのなさと不法行為が原因であり、ごみ屋敷の所有者の性癖に起因するものではない。
新築の建売住宅などを購入する場合、かつてその土地がごみ屋敷であったような場合は注意が必要である。宅建法35条1の援用として慣習的に自殺や近隣での暴力団事務所の有無などは重要事項として説明すべきと解されているが、ごみ屋敷については事例研究が少なく、また慣習化されていないため、新築物件がかつてのごみ屋敷の上に立てられている場合がある。こういった場合、近隣住民の理不尽な蔑視や偏見があらたな購入者や入居者に向けられる危険性があるため、特別な配慮(一定期間、駐車場などとして転用するなど)が必要であろう。
[編集] ゴミ収集に至る状況例
多様な状況があるため、一概には判断しづらい。本人が自覚していないことも多い。
- 自分の所有地にゴミ類を不法投棄されることに対する怒り。
- 地域や親族への不信から、自分や財産に対して抱く不安。
- (対象は何でも良い)コレクションの達成感を得るため。
- (対象は何でも良い)処分する事への罪悪感。
- 地域共同体(コミュニティ)からの疎外、孤立感。
- 収集癖が病的にまで高じることによる。
- 経済的困窮による(家電リサイクル法対象四品目の安価な引き取り)。
- 古物商の売れ残り在庫の増加(これは厳密にごみ屋敷とは言えないが、ごみ屋敷といわれる場合もある。)
- 街角に捨てられているゴミを見つけると寂しそう、悲しそうに感じるので自分のところに連れてくる。仲間も多いので安心である。ゴミを捨てろと言うのは、訳あって自分のところに身を寄せている仲間を見捨てろというのと同義となる。古くからの知り合いに囲まれて暮らしている自分を非難する方がおかしい。ゴミと言うな云々、という精神状態でゴミ収集を加速するケース。
[編集] 関連項目
外部リンク
- 現実にある出来事!:遺品処理専門業者㈲キーパーズが運営するサイト