ひみつシリーズ
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ひみつシリーズとは学研が1973年から刊行した学習漫画のシリーズ作品で、タイトルに「○○のひみつ」と付くことからそう呼ばれている。
目次 |
[編集] 概要
ひみつシリーズは、学習漫画のパイオニア的存在で、1970年代後半~1980年代前半をピークに、今日に至るまで累計2000万部以上を売り上げた実績を誇る。姉妹作品に「事典シリーズ」、「伝記シリーズ」などがあり、これらは学習漫画という新たなジャンルを開拓し、小学館や集英社など他社にも大きく影響を与えた。1992年にほぼ全作品を新訂版に変更。従来の装幀に代わり、白地を基調とし、テーマに副ったイラストを取り込んだデザインとなっており、現在に至っている。また、一部の作品においては、内容の変更、作者の変更による刷新が行われており、事実上別の作品となっている。なお、ひみつシリーズは今までに約80タイトルが刊行されたが、現在も残っているのは約40タイトルほどであり、事典シリーズ(全38タイトル)に至っては「まんが百人一首事典」1作のみが現在も尚、刊行されている。また、今日では趣味や雑学などもテーマとして扱っている「新ひみつシリーズ」や「まんがでよくわかるシリーズ」が刊行されている。
[編集] ひみつシリーズのテーマ
ひみつシリーズは図鑑を漫画化したようなもので、始めの方は海や自然、地球、動物、魚、人の体など割とカテゴリーの大きなテーマを扱っており、専ら科学が対象であった。後になると、犬や猫、カブトムシなど細分化されたテーマ、また漢字や記号、年中行事、歴史など文系分野を扱った作品も登場するようになる。晩年はクイズ番組や実験番組を漫画化したもの、新訂版では原子力や石油などのエネルギー関連、環境問題、更にパンやインスタントラーメンといったジャンルまで登場している。ひみつシリーズの後に出版された事典シリーズでは「ひみつシリーズ」より専門的な内容のものが多い。「新ひみつシリーズ」では学問に囚われない傾向が見られ、囲碁や将棋、サッカーといった趣味のジャンルも補っている。また、以前には他に小学校低、中学年を対象に、算数、理科、漢字学習をテーマとしたものも刊行されたことがある。
[編集] ひみつシリーズの傾向
キャラクター構成は少年一人に少女一人、そして博士に動物役という組み合わせが多い。概して少年は好奇心旺盛だがおっちょこちょい、頭はさほど冴えていない、対して少女は良識を以て博士の補佐に回ったり、不真面目な少年を諌める役を受け持ったりするパターンが多い。舞台は日常生活空間と近未来SF世界に二分され、その中間で日常生活の間に未来的なタイムマシンなどが登場するケースもある。ストーリーはコントを演じながら単調な展開が繰り返されるものもあれば、ちょっと凝った内容のものもあり、作者の傾向がよく表れている。また複数の作者が手掛けた共著も多い。
[編集] ひみつシリーズで活躍した主な漫画家
彼らの多くは学研の科学で連載を多く手掛けた学習漫画家である。なお、以下に挙げる作品は旧版のものである。
- 内山安二 (代表作:コロ助の科学質問箱、できる・できないのひみつ、世界の国ぐにびっくり旅行)
- 横田とくお (代表作:自然のひみつ、まんがことわざ事典、電気のひみつ)
- 藤木輝美 (代表作:からだのひみつ、植物のひみつ、ネコのひみつ、地震のひみつ、ロボットのひみつ)
- 川崎てつお (代表作:海のひみつ、化石のひみつ、恐竜のひみつ)
- 渡辺省三 (代表作:トンチンカンの科学教室、飛行機・ロケットのひみつ)
- 今橋さとし (代表作:忍術手品のひみつ、鳥のひみつ)
- 伊東章夫 (代表作:魚のひみつ、魔法実験のひみつ)
- 相田克太 (代表作:星と星座のひみつ、天気100のひみつ)
- あいかわ一誠 (代表作:宇宙のひみつ、古代遺跡のひみつ)
- 林夏介 (代表作:昆虫のひみつ、イヌのひみつ)
- 飯塚よし照 (代表作:漢字のひみつ、年中行事365日のひみつ)
- 楠高治 (代表作:自動車のひみつ、病気のひみつ、宇宙生活スペースシャトルのひみつ)
- 篠田ひでお (代表作:地球のひみつ、恐竜化石のひみつ)
- 浜田貫太郎 (代表作:つりのひみつ、動物のひみつ)
- 浅野利治 (代表作:電車機関車のひみつ、日本のひみつ探検)
- 山口太一 (代表作:地球環境のひみつ、パンのひみつ …いずれも新版)
その他、沢田ユキオ(みえるみえないのひみつ)や青木たかお(人名地名おもしろ事典)など、現在、コロコロコミックなど児童向けコミックで活躍している漫画家も学習漫画を描いていた経歴がある。
[編集] まんがでよくわかるシリーズ
協賛企業からの取材協力・資金提供を受けて制作し、全国の小学校や図書館に無償配布されるほか、企業PRの景品として提供されている。2001年より『ハンバーガーのひみつ』など約20タイトルあまりが刊行されている。