アドベント
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アドベント (Advent) とはキリスト教において、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間の事。日本語では「待降節(たいこうせつ)」「降臨節(こうりんせつ)」ともいう。教派によって名称が異なる。
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[編集] 期間と主日との関係
西方教会では、11月30日に最も近い日曜日(11月27日 - 12月3日の間の日曜日)からクリスマスイブまでの約四週間のこと。 東方正教会では、11月13日/11月27日から降誕祭(12月25日/1月8日)前日までの40日間[1](フィリップの斎)のことを英語圏などでアドベントと呼ぶことがある。ただし日本の正教会でこの時期を公式にアドベント等と呼ぶことはない。
西方教会のうち教会暦を用いるところでは、教会暦の節目のひとつであり、以降の主日を数える基点とする。対して東方正教会では復活大祭および聖神降臨祭が教会暦の節目とされ、待降節を基準に教会暦を数えることはしない。ただし降誕祭の前後の主日は特別な一連の祭を行う。詳しくは降誕祭の項を参照。
カトリック教会、聖公会、ルーテル教会など教会暦を用いる西方教会ではこの日をもって一年の始まりとしている。週ごとに、第一、第二、第三と数え、第四主日がクリスマス直前の日曜日となる。アドベントの一日目をカトリック教会では「待降節第一主日」、聖公会では「降臨節第一主日」、バプテストでは「第一アドベント」という。
[編集] 儀式
西方教会では、ろうそくを4本用意し、第一主日に一本目のろうそくに火をともし、第二、第三、第四と週を追う毎に火をともすろうそくを増やしていくという習慣がある。この風習はドイツで始まったといわれる。
常緑樹の枝を輪型にまとめ、花などで装飾した「アドベントリース」ないし「アドベントクランツ」に、4本のろうそくを立てる(壁に掛けるクリスマスリースを寝かせたものを想像すると良い)、もしくはアドベント用に4本のろうそくが立てられる燭台を用いるのが普通である。
通常はろうそくの色はアドベント期間中における教会暦の色にあわせ紫であるが、第三週のみ白またはピンクのろうそくを用いる場合が多い。これは第三主日が「喜びの主日」と呼ばれ、祭服の色も紫からピンクないし薔薇色のものを用いるためである。なお、教会暦や風習に縛られない教会や、家庭においては、ろうそくの色は自由であり、実にさまざまなものが存在する。
ドイツでは主日ごとにシュトレンを食べて祝うことでも知られる。
[編集] 脚注
- ^ ただし日本ハリストス正教会では降誕祭のみグレゴリオ暦で行うため、期間が短縮される。
[編集] 関連項目
カテゴリ: ヨーロッパの年中行事 | クリスマス