アパッチ族
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アパッチ(Apache)は、6つの文化的に関連のあるネイティブ・アメリカン(北アメリカの先住民)の部族に与えられた総称。いずれも北アサバスカ語系の言語を話す。現代の用語では、類縁にあるナバホは含まない。アパッチという名は、ナバホに与えられたズニ語で「敵」を意味する名前らしい。
カイオワはニューメキシコ州の北境とプラット川の間、リパンはニューメキシコ州東部からテキサス州西部、ヒカリヤはニューメキシコ州南部、メスカレロはニューメキシコ州中央部、チリカワはアリゾナ州南西部のチリカワ山地、西アパッチはアリゾナ州中部を、それぞれ居住地としていたとされる。
もともとアパッチは、アリゾナ州の南東域とメキシコ南西域を移動する民族で、ごく一部で農耕をいとなむほかは、バイソンの狩猟を行っていた。伝統的に好戦的で、領土に入りこむ異民族を襲撃したが、ヨーロッパからの移民(いわゆる白人)に対しても絶えず、強力で好戦的な部族であり、アパッチの有名な指導者として知られるコチーズ、マンガス・コロラドス、そしてジェロニモなどは、敵対したアメリカ陸軍やメキシコ陸軍から獰猛な戦士であり熟練した戦略家であると知られている。
最終的な降伏は1886年で、現在、アパッチはアリゾナ州やニューメキシコ州、オクラホマ州の特別保留地に居住し、その数は5000から6000とされている。