アプリケーションサービスプロバイダ
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アプリケーションサービスプロバイダ(略称・ASP)は、英語の訳の通りアプリケーションサービスを提供する組織(事業者)/機構/サーバを指す言葉である。
一般に用いる場合、事業者を指す言葉である事が多く、業務用のアプリケーションソフトをインターネットを利用して、顧客にレンタルする事業者あるいはサービスを指す。利用者はインターネットに接続された環境で、ブラウザソフトを使ってASP事業者のサーバにアクセスし、ASP事業者から提供される各種アプリケーションソフトを利用する。
高額なデジタル専用回線に代わり、ADSLやFTTHなどブロードバンド回線で大容量・常時接続が低価格で提供され、導入しやすくなった2001年頃から普及し始めた。
一方、システム設計構築の用語としては、システム内でアプリケーションソフトを動作させ、サービスを提供するコンピュータサーバをASPサーバと呼ぶ。
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[編集] 事業者が提供するASPについて
[編集] 利用分野
- オープンソース開発のコミュニティ基盤→CollabNet[1]
- 分散SW開発のエンジニアリング環境→CollabNet[2]
- 財務会計
- 給与計算
- グループウェア
- 営業管理、顧客管理
- 販売管理、在庫管理
- コンピュータウイルスのチェック・除去ソフト
[編集] メリット
- 社内でのシステム(ソフトウェア、ハードウェア)の管理が楽になる(インターネットへのアクセスが可能な環境とブラウザがあればよい。ソフトウェアのバージョンアップやバグ修正などの保守作業はASP事業者側が行う)。
- 小規模な場合、自社で購入するのに比べて費用が安い。
[編集] デメリット
- 個人情報や機密情報などの外部への流出の心配(通信は暗号化されるが、セキュリティ事故等による流出の可能性)がある。
[編集] システム内でのASPの役割
最近のWebシステムにおいて、多くの場合Webアプリケーションサーバ上でのアプリケーションを実装するが、データウェアハウスやCRMなどのデータを中心としたシステムにおいては、システム固有の処理が非常に重い場合がある。例えば、ETLツールによるデータ系バッチ処理や、データから帳票を作成してpdfデータ化や画像フォーマット(jpgなど)に落とす場合、処理の負荷が非常に重く、CPUの計算資源やメモリー資源の浪費が激しいため、レスポンスが重視されるWebアプリケーションサーバでの処理に向かない。
このような場合、別途アプリケーション処理専用のサーバを建て、アプリケーションサービスを提供(provide)する事が多い。これをASPサーバと呼ぶ。