アリヤバータ
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アリヤバータ( आर्यभट, Āryabhaṭa,476年 – 550年頃)は5世紀末に生まれたインドの数学者、天文学者である。
アリヤバータが活動したのは、バラモン教の王朝で北インドを統一し、西暦320年から550年頃まで栄えたグプタ朝においてである。アリヤバータの数学、天文学の著書は11世紀のアラビアの歴史家アルベルニによって研究された。アルベルニの研究によれば、同名の二人の数学者がおり、年長のアーリヤバタが天文学、数学の優れた著作を残したとされるが、近年の研究では同一人物であるとする説もある。
最も有名な著作は『アーリヤバティーヤ』(Aryabhatiya)で、革命的な数学の知識ばかりでなく、地動説にたつ宇宙モデルや、測地学の結果が含まれている。太陽中心の宇宙モデルでは惑星が楕円軌道をもつことを述べている。
『アーリヤバティーヤ』はサンスクリット語で書かれた123連の韻文からなる。 アリヤバータの著書に記されている知識には以下のものが含まれる。
- 円周率の近似値
- 円周率の近似値を
としたこれは小数点以下4桁まであっているよい近似値である。ただしこれらの値に到達した方法は記されていない。
- 円周率の近似値を
- 三角関数の求め方と簡単な表
- 地球の自転周期と月の公転周期の比を27.27,3964と求める。これは恒星月の約27.32日に近い。