アルピーヌ・A110
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アルピーヌ・A110は、フランスの自動車製造会社アルピーヌが製造した自動車である。
[編集] 概要
アルピーヌA110は1961年のツール・ド・フランスとツール・ド・コルスでクラス優勝を勝ち取ったA108を経て、1963年にパリサロンで発表された。ルノー8をベースにしているが、デザイン面ではリアエンドが異なるもののA108がベースになっている。A108からシャシーやエンジン、補器類のレイアウトが変更されたが、これはA108のべース車がルノー・ドゥフィーヌだったのに対し、A110はルノー8を使用したためである。中央を走る太い鉄チューブはA108と同じだが、前後のシャシー、足回りはルノー8のものを利用した。また、ラジエターが最後部に位置されているが、これは車体後部の上部から外気を入れ、ラジエター後部からエンジンに風を入れるためで、A108よりもすっきりとしたデザインになった。その後も1300及び1600ゴルディーニ・エンジン搭載、1973年に登場するA310のリヤ・サスペンションを使ったSC、SIなどの改良型が生まれた。最大の武器は車体重量で、FRP製の軽量ボディを架装した車体は600kg以下に収まっており、最終型でも700kgを超えていない。これによりラリー界で活躍し、ライバルのフォード・エスコートやランチア・フルビア、大パワーを誇るポルシェ911を破り、初代WRCチャンピオン・マシンに輝いた。
[編集] 年表
- 1963年 ベルリネッタ、クーペ、カブリオレ、GT4発売
- 1964年 1108cc発売
- 1965年 1100ゴルディーニ、クロスフローエンジン搭載
- 1966年 1300ゴルディーニ・エンジン搭載
- 1967年 1500、1300S、G、V70、V100の5車種となる。1300Sはフロント・ラジエターに変更
- 1968年 1600S、V85(1300VC)発売、特徴的な埋め込み式補助ライトが装備されたのもこの年から
- 1969年 デュエップの工場で生産開始
- 1971年 競技用の1600Sグループ4(1600GS)発売
- 1973年 1600SC、1600SI、1800グループ4発売
- 1975年 1600SX発売
- 1977年7月 生産終了