イッテルビー
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イッテルビー (Ytterby) はスウェーデン、ヴァクスホルム近郊に位置する村である。特殊な鉱石であるガドリン石が発見された採石場があることで知られる。この鉱石からはエルビウム、テルビウム、イッテルビウム、イットリウムといった元素が採れる。
スウェーデンは、より範囲を限定すればスウェーデン群島のイッテルビー村は、希土類元素の歴史において重要な役割を果たしてきた。ガドリニウム(ヨハン・ガドリンにちなむ)、ホルミウム(ストックホルムのラテン語名から)、ツリウム(北欧諸国を意味する古いラテン語トゥーレから)、上記のエルビウム、テルビウム、イッテルビウム、イットリウム(これらは全てイッテルビーから名づけられた)など、多くの希土類元素がここで発見されたためである。
[編集] 鉱物の発見者と発見時期
- イットリウム:1794年にフィンランド人化学者のヨハン・ガドリン(Johan Gadolin)が発見。
- テルビウム:1843年にスイス人化学者のカール・グスタフ・モサンデル(Carl Gustaf Mosander)が発見。
- エルビウム:1843年にスイス人化学者のカール・グスタフ・モサンデルが発見。
- イッテルビウム:1878年にスイス人化学者ジャン・マリニャック が発見。
- ツリウム:1879年にスウェーデン化学者のパー・テオドール・クレーベ(Per Teodor Cleve)が発見。
- ホルミウム:1879年にスイス人化学者マーク・ドラフォンテーヌとジャック・ルイ・ソレ(Jacques-Louis Soret)らの研究チームとパー・テオドール・クレーベとが別々に発見。なお、ホルミウムと命名したのはパー・テオドール・クレーベである。