ストックホルム
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ストックホルム( Stockholm! ? [stɔkːɔlm])は、スウェーデンの首都で、スウェーデン最大の都市。ストックホルム県(Stockholms Län)に属す。人口は約75万人。北緯 59度20分、東経 18度3分に位置する。「水の都」、「北欧のヴェネツィア」ともいわれ、水の上に浮いているような都市。北欧で最大の人口を誇り、バルト海沿岸では、サンクトペテルブルクに次いで第2位。
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[編集] 歴史
- 主要記事:History of Stockholm
13世紀の中葉にスウェーデン東部のメーラレン湖東にある小島スタツホルメン島に砦として築かれたのが最初である。1250年代に即位したされるフォルクンガ朝初代国王ビルイェル・ヤールによる。砦としてだけでなく、都市としての機能も形成されて行く。戦闘に備えて、島を囲むように丸太の柵が巡らされていた為に、「丸太の小島」と呼ばれるようになった。これはスウェーデン語で「ストックホルム」と言う。
都市は次第に拡大し、近郊の小島などに広がって行き、都市の名も「ストックホルム」として落ち着いた。都市の始まりとして築かれたスタツホルメン島は、「ガムラスタン(旧市街)」と呼ばれ、昔ながらの中世の建物が建ち並んでいる。
スウェーデンの都市は、他ヨーロッパの都市と比べると小規模で、ストックホルム以外の都市化は遅々として進んでいなかった。1523年にスウェーデンが独立国となった頃のストックホルムの人口は、8000人程度にしか過ぎなかった。17世紀にはいると首都の人口も増加したが、他国のような人口爆発は、スウェーデンにおいては小規模にしか発生しなかった。17世紀後半のストックホルムの人口は5万人程度であり、スウェーデン全体でも都市と言えるような街は、海港イェーテボリ位いしか無かった。この頃の移民は、商業などを通じて、ドイツ人やオランダ人などが入植し、ストックホルムの都市化を形成していった。
18世紀以降、ストックホルムは、直接戦火に巻き込まれなかったため、人口は数十万にも達するようになった。またスウェーデン史では、18世紀全般を通し、文化が高揚した「自由の時代」を象徴する都市にもなった。ストックホルムは、名実ともにスウェーデンの首都たる街へ変貌し、現代においても北欧最大の都市を標榜している。
ストックホルムの人口は、現在も増加し続けているが、それは自然増ではなく、移民によって構築されている。最近になって移民が独自のコミュニティーを形成し、ストックホルム市民との関係悪化などが起こり、スウェーデンでも移民問題は噴出し始めている。
[編集] 地理
[編集] 経済
[編集] 文化
- 主要記事:Culture of Stockholm
[編集] ストックホルムを舞台にした作品
- シューヴァル&ヴァールー夫妻による「警部マルティン・ベックシリーズ」全10巻の舞台。
初めから10作限定で、スウェーデン社会の10年を描くという構想で書かれたものであり、ストックホルムの町やその周辺の町のあちこちが登場する。
- 宮崎駿監督のアニメ「魔女の宅急便」の舞台となる街「コリコ」のモデルの1つである(おもにモデルとなったのはゴットランド島のヴィスビー。他にアメリカのサンフランシスコなども使われている)。
- 佐々木譲による小説『ストックホルムの密使』(日本冒険小説協会大賞受賞作)
[編集] 建築
- ガムラスタン(Gamla Stan, 旧市街)
- ユールゴーデン(Djurgården)
- グローナルンド遊園地
- ローゼンダル宮殿(Djurgården)
- リッダルホルム教会(Riddarholmskyrkan)
- ストックホルム市庁舎(Stadshuset,内部公開。ノーベル賞受賞者の記念晩餐会が開かれることで世界的に有名。)
- ロングホルメン監獄(Långholmen, ユースホステルとして活用)
- カクネスタワー(Kaknästornet, テレビ塔)
- スコーグスシュルコゴーデン(Skogskyrkogården,直訳すると「森の教会墓地」。建築家アスプルンドが設計した郊外墓地。世界遺産)
- 帆船アフ・チャップマン号(保存公開。内部はユースホステルとして活用。)
[編集] 博物館
- 郵便博物館(Postmuseet)
- 貨幣博物館
- スカンセン野外博物館(世界最初にできた野外博物館)
- ストックホルム近代美術館
- スウェーデン国立美術館(Nationalmuseet)
- スウェーデン国立近代美術館(Moderna museet)
- スウェーデン国立歴史博物館(Historiska museet)
- 音楽博物館(Musikmuseet)
- 兵器博物館
- 東洋博物館(Östasiatiska museet)
- 北方民族博物館(Nordiska museet、国立の博物館。スウェーデン全体についての総合博物館。歴史民俗宗教、生活史、自然史など幅広い展示。地下にABBAの展示コーナーも。)
- ヴァーサ号博物館(Vasamuseet)
- ダンス博物館(Dansmuseet)
[編集] 劇場
- オペラ劇場(Kungliga Operan)
- スウェーデン王立オペラ劇場
- スウェーデン王立バレエ団
[編集] 郊外
- メーラレン湖の遊覧船(レストランつきの蒸気船がドロットニングホルム、ビルカ、シグチューナ、マリエフレッド、ストックホルム諸島の島々に就航。季節運行。また、ユールゴーデン周遊などストックホルム市内遊覧コースは頻発)
- ドロットニングホルム宮殿(Drottningholms slott,世界遺産)
- ドロットニングホルム宮廷庭園(世界遺産)
- ドロットニングホルム宮廷劇場(Drottningholmsteatern,世界最古の屋内劇場、現役。王立オペラ、バレエが使用。世界遺産)
- ビルカ(Birka,ヴァイキング時代の遺跡のある島。世界遺産)
- ホーヴゴーデン(Hovgården、ヴァイキング期の遺跡。ビルカとともに世界遺産登録。)
- シグチューナ(Sigtuna、スウェーデンの古い町並みが保存されている。)
- マリエフレド(Mariefred)
- ストックホルム群島(Stockholms skärgård)
- バックスホルム要塞(Vaxholmskastellet)
[編集] 交通
- 国鉄
- SL(Storstockholms Lokaltrafik)
- 市内電車(Pendeltåg)
- Bålsta - Kungsängen/Märsta- Sollentuna - Karlberg - Stockholm Central (T-Centralen) - Älvsjö - Nynäshamn/ - Södertälje hamn - Gnesta/Södertälje Centrum
- 地下鉄(Tunnelbanan)
- 「Röda linjen」(赤線) - Mörby centrum - Tekniska Högskolan/Ropsten - Östermalmstorg - T-Centralen (Stockholms Central) - Liljeholmen - Sätra - Norsborg/- Telefonplan - Fruängen
- 「Gröna linjen」(緑線)- Hässelby strand - Alvik - T-Centralen (Stockholms Central) - Gullmarsplan - Högdalen - Hagsätra/- Skärmarbrink - Skarpnäck/- Hörkarängen - Farsta strand
- 「Blå linjen」(青線) - Akalla/Hjulsta - Västra skogen - T-Centralen (Stockholms Central) - Kungsträdgården
- 市内電車(Pendeltåg)
[編集] 姉妹都市
ストックホルムはどの都市とも正式に姉妹都市提携をしていないが、世界中の首都と協力関係にある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Destination Stockholm(日本語)
- ストックホルム公式観光ガイド(日本語)
- Sweden Style Tokyo(日本語)
- Stockholm 市の公式サイト(英語)
- Stockholms Museer(スウェーデン語)
- Allt om Stockholm(スウェーデン語)
- Lokaltrafik(スウェーデン語、一部英語)
- メーラレン湖の遊覧船についての情報(英語)
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