エネルギー・運動量密度
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エネルギー・運動量密度とは、 単位時間、或いは単位面積、単位体積当たりに移動若しくは変動するエネルギーや運動量のことをさす。
- 電磁場については、
- 時間・時間成分がエネルギー密度、
- 時間・空間成分がポインティング・ベクトル
- 空間・空間成分がマックスウェルの応力テンソル
である。
エネルギー・運動量密度を定義する場合、忘れてはいけないことは対称性と保存則の関係(すなわち、ネーターの定理)である。
運動方程式を決定するLagrangian密度(厳密にはAction(作用))がある変換のもとで不変に保たれる場合、その物理系はその変換のもとで対称性を持っているという。このとき、変換前と変換後のActionの差分を求めることにより、あるカレントが導かれる。対称性を持つならば、当然Actionの差分はゼロになり、それによりカレントが保存することがわかる。
たとえば、電磁気学においてはActionがU(1)ゲージ変換のもとで不変であり、これに伴い次のような電荷の保存則が導かれる。
ここで、qは電荷密度、Jは保存カレントである。
エネルギー、運動量についてはそれぞれ時間並進、空間並進に対する対称性から導かれる保存量であり、そのときの保存カレントの時間成分がそれぞれエネルギー密度、運動量密度である。
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