エルリック
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エルリック (Elric) は、マイケル・ムアコックが著したファンタジー小説シリーズ、エターナル・チャンピオンシリーズに登場する架空の人物。エルリック・サーガの主人公。
一万年以上に渡って世界を支配したメルニボネ帝国の最後の皇帝。作中では第428代皇帝エルリック8世という設定である。エターナル・チャンピオンシリーズでは、エルリックは「永遠のチャンピオン」の数ある姿の内の1つとして描かれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] メルニボネのエルリック
メルニボネは、人間に似ているが人間ではない種族メルニボネ人によって治められた旧く強い王国であり、魔法が発達していた。その王子エルリックは白い髪、白い肌に深紅の瞳を持つアルビノとして生を受けた。生まれつき虚弱であった彼は、魔法や薬品に頼らずには生きられない身体であったが、玉座を狙う従弟・イイルクーンを追う冒険の中で、魔剣「ストームブリンガー」を手に入れる。この黒い魔剣は人の魂をすすり、その力をエルリックに与える魔力を持っていた。これによってエルリックは薬に頼らずに行動する力を手に入れるが、引き替えにこの邪悪な剣に呪縛されてしまう事になる。
力を好む同族と異なり、エルリックは文化を愛す温和な人柄であった。打ち負かした従弟イイルクーンを殺さなかったのも、その現れだった。しかしエルリックの意に反し、魔剣は力の代償としてエルリックの愛する人々の魂と生命を奪っていく。イイルクーンの妹・サイモリルはエルリックの恋人であったが、彼女もまた魔剣の犠牲となった。サイモリルを失った後、エルリックはアリオッホ(アリオッチ、アリオック)を始めとする混沌の神と法の神の対立の中に巻き込まれていく。最後にストームブリンガーはエルリックの胸に刺さり、持ち主である彼自身をも殺し、作品は終わる。
“従妹殺しのエルリック”、“女殺しのエルリック”、“同族殺し”、“白い狼”、“魂の盗人”、“荒海の狼”、“白面の賊”、“人の魂を飲む剣を持つ地獄の魔術師”、“白面の魔”など様々な異名を持つ。
[編集] エルリックのボードゲーム
ケイオシアム社がエルリックサーガの世界をボードゲーム化した。この作品はさらに大手のアヴァロンヒル社で再版され、日本では天野画伯のアートワークに作り直された日本語版がホビージャパン社から発売された。 ゲーム内容としては新王国の立場で富国強兵し、エルリックを利用してメルニボネに攻め入る地政学マルチである。エルリックサーガの破滅的なトーンとは相容れない切り出し方でゲームにしているので、原作シリーズが好きな人が気に入るかどうかは微妙。マップや、出てくるガジェットは、原作におおむね忠実と思われる。天秤のルールがあり、法と混沌が鬩ぎ合っていることや、一方に傾いてしまうと宇宙が崩壊してしまうこともゲーム化されている。