オカチョウジガイ
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オカチョウジガイ(陸丁子貝・学名:Allopeas clavulinum+(kyotoense))は陸に生息するオカクチキレガイ科(Subulinidae)の陸貝(陸産貝類)。 カタツムリの一種。 最後のガイを略してオカチョウジとも。
[編集] 形態・生態
殻は細長い右巻きで、長さ数mm~1cm程度。 表面は平滑で通常光沢があり、若い個体ではやや黄色がかった半透明、老成したものや死殻では白色不透明となる。 体は普通のカタツムリと同様の外見と構造で、他の近縁種同様に黄色い。 海産貝類のリソツボ科のチョウジガイ類に似た形のためこのように名付けられた。 雌雄同体で卵生。 一度に数個を石の下や土壌中などに産卵する。 卵は白色球形で硬い炭酸カルシウムの殻があり、親貝の体内にあるものが半透明の殻を通して見えることもある。 孵化した子貝は親貝と基本的に同じ形だが、殻の巻き数が少ないため、親ほど細長くはない。 同様に細長い殻をもつキセルガイと混同されることがあるが、オカチョウジガイは右巻きでキセルガイは左巻きなので区別できる。
[編集] 分布・分類
日本全土のほかアジアを中心に広く分布し、米国などには移入されたものが分布するとされる。 市街地から山地まで見られ、宅地の庭石や植木鉢の下、山地の朽木の下などにいることが多い。 日本産のものは京都産の標本をもとに亜種kyotoenseとして区別されたことがあるが、その後命名者自身により基亜種clavulinum と同種とされた。 しかし現在でも日本産のものは亜種として扱う場合や独立種(この場合の学名はAllopeas kyotoense)として扱う場合もあり必ずしも定まってはいないようである。
日本のオカクチキレガイ科には他にホソオカチョウジガイ、サツマオカチョウジガイ、マルオカチョウジガイ、シリブトオカチョウジガイ、トクサオカチョウジガイ(外来種)、オオオカチョウジガイ(外来種)、オカクチキレガイ(外来種)などがある。
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