オキソニウム
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[編集] 定義
オキソニウムイオン (Oxonium ion) / ヒドロニウムイオン (Hydronium Ion) は、オニウムの一種であり、分子内の酸素原子に原子価より1つ多いプロトンが結合した陽イオンである.水やアルコールなどプロトン受容性酸素原子を持つ分子からなる溶液中では(ブレンステッドの定義による)酸としてはたらく.溶媒和されたプロトンとも考えられるが、この観点からは例えば水溶液中では実際には[H9O4] + とも言われている.
[編集] 水溶液中におけるオキソニウムイオン
最も身近に存在するオキソニウムイオンは水溶液中における H3O + である.したがって、単に H3O + を指すことが多い.また、酸塩基平衡に関する化学反応式においては便宜的にH + (水素イオン、プロトン)で表されることが多い.
水溶液中においては、自己解離または溶媒よりも強酸を加えることによって生じる
または
生じたオキソニウムはリオニウムとしてはたらき、リエイトである水酸化物イオン濃度とは25℃において以下の関係が成り立つ.
- KW = [H3O + ][OH − ] = 10 − 14(mol / l)2
水溶液の酸性度を表すpH(水素イオン指数)はオキソニウムイオン濃度の活量である.
- pH = − loga(H3O)
通常は下記のように活量の代わりにモル濃度を用いることが多い.
- pH = − logC(H3O)