オス
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オス(雄、牡)は、メスと対比される動物の性別。主に人間以外の動物で使う。(人間の男性に相当)
動物の中で、精子を作り出す個体を言う。記号は「♂」。(槍と盾をかたどったギリシャ文字)
雄の作る精子は、雌の作る卵に比べ、遙かに小さいので、それを作るエネルギーは格段に少ない。そのため、雌が卵を作る数に比べ、雄が精子を作る数は格段に多いのが通例である。つまり、雄の作る精子は、その大部分が無駄になる定めである。
雌雄の区別は生殖巣によって判断する。しかし、それ以外の部分で区別がつく場合も多い。生殖巣以外の、生殖器の構造で区別がつく場合もあり、特に体内受精を行うものの場合、雌に精子を受け渡すための構造(陰茎など)が発達していれば、区別はたやすい。これらの性差は一次性徴と呼ばれる。さらに、これらの部分以外の、体の各部にはっきりとした差が見られる場合もある。たとえば保育のための構造や、配偶行動に際して使われる構造などである。そのような性差は二次性徴と呼ばれる。また、それがはっきり見られるために、雌雄の区別がつきやすいものを、性的二型と呼ぶ。配偶のための構造、たとえば飾り羽根や美しい色彩を、配偶行動を行うときにだけ表す場合、これを婚姻色などと言うことがある。性差のはっきりしないもの、特に繁殖期以外ではほとんど区別のつかないものも多い。
雌雄の形質の差は、配偶の形式によっても異なる。特に、一夫多妻制で、一頭の雄が多くの雌をふくむハーレムを独占するような動物では、雄が雌より大きくなることが多い。そのような動物では、雌にあぶれた雄が多く出現し、雌の群れを奪おうとねらうことになり、雄同士の戦いを生じる。戦いのための武器を装備するものもあるが、戦う前のデモンストレーションのための構造を発達させるものも多い。哺乳類ではマントヒヒ、ライオンやアザラシ、昆虫ではヘリカメムシ類にそのような例が見られる。
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