オホーツク海気団
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オホーツク海気団とはオホーツク海上に発生する気団である。寒帯海洋性気団に属する。比較的にみると寒冷・多湿な気団。
[編集] 概要
オホーツク海高気圧とは、オホーツク海上に毎年4月末から8月に発生する高気圧。4月ごろ、上空のジェット気流がチベット高原に衝突することで発生し、気流が南と北に分かれる6月から7月にかけて、南の太平洋高気圧との間に梅雨前線を形成し、夏に発達すると北日本・関東地方に冷害をもたらすなど広い範囲で大気を不安定にして悪天候をつくり出す高気圧。北日本の太平洋側・関東地方にはオホーツク海気団よりやませが吹き込む。 その後上空のジェット気流は次第に北へと上がっていき、太平洋高気圧が勢力を増してオホーツク海高気圧は消滅し、日本では梅雨が明けて暑い夏が訪れる。
秋には一度離れた梅雨前線が再び日本付近に接近し、秋雨前線として日本付近に雨を降らせる。このときに一度消滅したオホーツク海高気圧が再び生成される。
[編集] やませの影響
オホーツク海気団による北東風(やませ)の影響は大きく、奥羽山脈を隔てた日本海側では10a当たりの米の収穫量が300kgであるのに対して、東北太平洋側北部では10aあたり60kg前後の凶作となることがある。
梅雨の時期に発生すると、東北の太平洋側や関東で気温の上がり方が鈍くなり、梅雨寒となる。時には、大阪や名古屋と東京の気温差が10度以上になる日もある。