カフェレーサー
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カフェレーサー (Cafe Racer) とは、オートバイのカスタム思想の一つである。日本では1970年代から1980年代に掛けて大流行した。定義として、イギリスのロッカーズが行きつけのカフェで、自分のカスタムバイクを自慢し、公道でレースをするという「速く、カッコ良く」のカスタムというものがある。イギリスにあるエースカフェより発祥したバイク文化である。
日本において、カフェレーサーの種車として草創期にはホンダCB400Fが、その後はヤマハSR400/500があった。当時はバイクを改造することは法で一切禁じられていたため、これらの元からカフェレーサーの形をしたバイクは圧倒的な人気を誇った。やがて1980年代後半になり、ブームに応じる形でメーカー側が最初からクラシカルな外見を売り物にするモデルを次々と発表。改造が解禁されて以降カスタムショップやユーザー独自で行っていた重改造は沈静化し、徐々に既製モデルを購入しパーツ交換で済ます手法が一般的となった。
「カフェレーサー」の語源は、当時英国内で唯一24時間営業だったエースカフェに集まり、ノートンやトライアンフのバイクをカスタムし、カフェのジュークボックスにコインを入れ、曲が始まると同時にスタートし、曲が終わるまでにカフェに戻ってくるという公道レースをロッカーズ達が毎夜のようにやっていたことから。
元はロッカーズ=カフェレーサーであったが、その文化が世界中に広まるにつれ、カフェレーサーは次第にロッカーズだけのものではなくなっていき、現在の日本ではバイクの改造スタイルの一つとして認知されている。
現在はパーツの種類が豊富になり、どの様なバイクもカフェレーサーにカスタムすることが出来る。バイクを走らせることと、ビルドアップすること双方をスキルアップしていくことを善しとする傾向にある。