ガブリエル・ヤレド
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カブリエル・ヤレド (Gabriel Yared)はベイルート出身のフランスの作曲家。Yaredはフランス名ではなく、d も無音にならないので、フランス発音でもFredなどと同じにヤレ(ッ)ドである。日本では不統一で、ヤード、ヤーレなど間違って紹介されることもあるが、インタビューでも発音の件は発言しており、それらは使うべきではない。
フランスで音楽を学び、ブラジルの歌曲コンクールで優勝。その後、シャンソンの作曲家・アレンジャー・オーケストレイターとして活躍を始め、ジャック・デュトロン、フランソワーズ・アルディ、ミレイユ・マチュー、サシャ・ディステル、ジルベール・ペコーらフランスを代表する歌手たちのレコーディングに携わる。映画は、彼等が出演したクロード・ルルーシュ作品の劇中歌などに携わってきたが、デュトロンがジャン=リュック・ゴダールの映画『勝手に逃げろ/人生』(1980)に主演した際、彼を推薦したことにより映画音楽のスコアも手掛けるようになる。
以来、ジャン=ジャック・べネックスの『溝の中の月』(1983)、世界中で評判となった『ベティ・ブルー』(1986)など、次々と担当。フランス国外でも活動を始め、『イングリッシュ・ペイシェント』、『リプリー』、『コールド マウンテン』ではアンソニー・ミンゲラとコラボレーションを続け、それぞれオスカーにノミネート。
一方、バレエ音楽も手掛け、ローラン・プティ振付けの「恋する悪魔」「クラヴィーゴ」や、カロリン・カールソンらの作品に音楽をつけている。
[編集] 手がけた映画作品
- 勝手に逃げろ/人生 Sauve qui peut (la vie) (1979)
- 溝の中の月 La Lune dans le caniveau (1982)
- ベティ・ブルー/愛と激情の日々 37°2 le matin (1986)
- ニューヨーカーの青い鳥 Beyond Therapy (1987)
- 愛人/ラマン L'Amant (1992)
- IP5/愛を探す旅人たち IP5: L'île aux pachydermes (1992)
- 心の地図 Map of the Human Heart (1993)
- イングリッシュ・ペイシェント The English Patient (1996)
- 裸足のトンカ Tonka (1997)
- シティ・オブ・エンジェル City of Angels (1998)
- メッセージ・イン・ア・ボトル Message in a Bottle (1999)
- リプリー The Talented Mr. Ripley (1999)
- オータム・イン・ニューヨーク Autumn in New York (2000)
- 抱擁 Possession (2002)
- ボン・ヴォヤージュ Bon voyage (2003)
- シルヴィア Sylvia (2003)
- コールド マウンテン Cold Mountain (2003)
- Shall We Dance Shall We Dance (2004)
- 善き人のためのソナタ Das Leben der Anderen (2006)