キ109 (航空機)
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キ109(きいちまるきゅう)は太平洋戦争における日本陸軍の計画による試作双発重戦闘機である。四式重爆撃機飛龍の発展型。75mm砲を装備しB-29邀撃用に試作された。
[編集] 概要
1943年キ67飛龍の大型機としての運動性のよさに注目した当局により防空戦闘機に改造する指示が出された。そして昭和19年には、機首に75mm高射砲を装備しB29の防御砲の圏外から一撃必墜を狙う機体としてさらに開発が進められた。1944年8月に1号機が完成し、10月に44機の発注がなされた。2号機以降では、後上方および側面銃座は廃止されていた。また、1号機では特呂ロケットを元の爆弾倉内に装着し追尾時の補助エンジンとする実験を、2号機では高高度性能向上のために排気タービンの装備の試験をしたが実用化されずに終わった。
終戦まで22機が生産配備されたが、高高度性能不足のため当初の目的である迎撃任務ではさしたる戦果をあげることが出来なかった。そのため、大部分が本土決戦時の敵の上陸用舟艇攻撃用に温存され、そのまま終戦を迎えた。
[編集] 諸元
- 機種用途:特殊防空戦闘機
- 設計:三菱
- 形式:中翼
- 乗員: 3~4
- 全長: 17.95 m
- 全幅: 22.50 m
- 全高: 5.80 m
- 主翼面積: 65.85m2
- 全備重量: 10800 kg
- 動力: ハ-104 空冷複星18気筒エンジン
- 出力: 1900HP×2
- 最大速度: 550 km/h(10000m)
- 実用上昇限度: 12500 m
- 航続距離:2200 km
- 武装: 機関銃 75.00mm機関砲× ・13.00mm機砲×1
[編集] 関連項目
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