クロムスズピンク
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クロムスズピンクは、ピンクのセラミック顔料である。クロム錫ピンク(-すず-)と表記されることもあり、英語ではクロムティンピンク(chrome tin pink)と呼ばれる。
スズスフェン(CaO・SnO2・SiO2)を母格子とし、この中に少量のクロムが固溶したもの。母格子となるスズスフェンはスフェン(CaO・TiO2・SiO2)のチタンをスズに置き換えたものなので、スフェンピンク(sphene pink)とも呼ばれる。
酸化スズ、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、それに少量のフッ化カルシウム、ホウ砂を配合し1200℃で焼成してつくられる。カルシウムを含む釉薬でピンク、バリウムを含む釉薬で紫がかった赤、鉛を含む釉薬で鮮やかなワインレッドに発色する。
なおバリウム或いは鉛を含む釉薬にクロムスズピンクを添加したものをクロム赤釉(-あかゆう)、カルシウムを含む釉薬にクロムスズピンクを添加したものをクロムピンク釉(-ゆう)と呼ぶ。