ゲームオンデマンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゲームオンデマンド(GOD:Game On Demand)とは、コンピューターゲームを配信するオンデマンドサービスである。
目次 |
[編集] 概要
利用者はインターネット回線やケーブルテレビ回線を通じてゲームサーバーに接続し、遊びたいゲームを選択する。 利用者のコントローラーの操作やマイクからの音声といった情報は回線を通じて送信され、それに基づいた演算や画像処理、他者との通信は全てゲームサーバー上で行われる。演算結果は単なる動画・音声として利用者の元へストリーミング配信される。
オラクル社のNetwork Computerやビデオ・オン・デマンドやアプリケーションサービスプロバイダのゲーム版、又は不特定多数が繋ぐ大規模なメインフレーム方式と言える。
[編集] 利点
現在コンピューターゲームを遊ぶ為には、プログラムが入った媒体を読み込ませる、またはプログラムをインストールする、という方法が用いられるが、この方法には
- ゲームプログラム分記憶媒体の容量を消費する
- ゲームの要求する機種、OS、スペックを満たさなければ遊べない
- ゲームプログラムやセーブデータを改変する等メーカーの推奨しない遊び方をする利用者が出る
という欠点が存在する。
ゲームオンデマンドはこれらの欠点を全て解消出来る上に、
- 商品を店まで買いに行く必要が無い
- 品切れや在庫が発生しない
- 不人気作でも生産中止にならない
- 作品の収録された媒体を破損・紛失等して作品を楽しめなくなってしまう事がない
- 修正や改良も、サーバー上に置かれている作品を書き変えるだけで済み、郵送での交換や修正パッチのダウンロードが要らない。利用者の声を即座に反映させて随時改良を続ける事も出来る
- 作品の貸し借り、中古店での売買、複製品の売買、インターネット上での不法配布が出来なくなる為、利用者数分確実に製造者に金が入る
- 媒体の製造と流通が不要な分、価格を安く抑えられ、また作品をより早く客の元に届けられる
- 利用者の登録情報を元に、未成年には特定の作品は販売しない、今日が誕生日の利用者には値引きする、といった自由な販売設定が可能。
- 売り上げが落ちれば値を下げたり、1本いくら、ではなく、1時間いくら、1箇月間いくら、という時間単位の切り売りや、キャラクターがある程度のレベルに育つまでは無料、という変則的な価格設定も、販売店ではなくメーカー側が実行可能
- 初めの10分間だけ無料、という設定にすれば、全ての作品を体験版化する事が出来る
- ネットワーク機器さえあれば、ネット喫茶や友人宅等の自宅以外の場所でも、自身のセーブデータを用いてサービスを利用出来る
といったビデオオンデマンドと同様の利点を有している。
また、この技術はオンラインゲームにも応用が可能である。
[編集] 欠点
利点同様、欠点もビデオオンデマンドと同じものを有している。
- 機種・OS・スペックに依存しない代わりに、広帯域の回線が要求される
- 特定のプロバイダーでしか利用出来ない事がある
- サーバーメンテナンスが行われると、その間は登録している利用者全員がゲームを遊べなくなってしまう。
またサーバーが壊れると、利用者全員のセーブデータが消えてしまう恐れがある
- 利用者の好みの作品、利用時間、どんな遊び方をしているか、等の個人情報が運営会社の人間に知られてしまう可能性がある
[編集] 歴史
- 世界初の家庭用テレビゲーム機オデッセイの制作者の一人、ラルフ・ベアが、ケーブルテレビから送られてくる映像をゲームの背景にする事を思い付くが、実現には至らず。
- 1997年10月1日、プレイステーションをGOD化したサービスが旅館向けに開始される。
- 2004年8月、G-Clusterを使ったGODサービスが日本で開始される。
- 2006年9月22日、SCEの久夛良木健社長がPS4はGODになるだろうと発言(ソニー子会社、So-netはG-clusterと提携したGODサービスを2005年6月1日より開始した)。
- 2007年1月、Yahoo!ゲームにおいてストリーミングゲーム「Gクラスタ」のサービスが開始。
[編集] 関連サイト
- BBソフト・トップページ
- Gクラスタ