ゲームデザイナー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ゲームデザイナー (game designer)とはその和訳どおり、ゲームの設計を行なう人物及びその役職である。

[編集] 狭義のゲームデザイナー

ゲームデザイナーは元々ボードゲーム及びテーブルトークRPGの設計を行なう人物をさす言葉であり、コンピュータゲームの開発者等をさす場合はゲームクリエイターと呼ぶことが多い。

多少の図案などはあるにせよ、非コンピュータのゲームにおいては文字媒体が基本であり、ゲーム自体の差別化は扱う題材と各種計算判定、そして最終的なバランス調整が重要とされる。ゲームデザイナーはこれらの要素を決定する事が役割として求められる。

特にテーブルトークRPGにおいては、各種判定に利用するパラメータと判定方式が重要であり、プレイヤーが扱うキャラクターのパラメータは何種類にするか、戦闘判定のダイスは何面体を何個使用するか、などを、統計学なども用いて設計することが、ゲームデザイナーの最大の役割である。

コンピュータゲームにおいてもゲームデザイナーと名乗る時は上記と大差なく、主に画面上には現れないパラメータの変動や判定計算式を設計する事を主な作業とすることになる。

しかし家庭用ゲーム機の開発現場においては、専任のゲームデザイナーはプランナーが担当する新規ソフトウェアの立案とは切り離された立場となる。その為、ゲームの本質的な質の部分であるゲームそのものの面白さを左右する立場でありながら、専任のゲームデザイナーは重用されておらず、ゲーム開発の現場においてはプログラマやプランナーと兼任する事が殆どである（⇒詳しくは、ゲームクリエイターを参照）。

[編集] 広義のゲームデザイナー

日本では主に「ゲーム」と言うとコンピュータゲーム、特に家庭用ゲーム機のゲームを指す事が殆どであり、その開発現場においては狭義のゲームデザイナーで述べたとおり、専任のゲームデザイナーは極めて稀である。

その為、ゲームの企画立案を取り扱う（狭義の）プランナーや、ゲームのストーリーを担当するシナリオライターを含めてゲームデザイナーと呼ぶ場合がある。また、開発内容を精査し指揮するディレクターや、内部設計を担当したプログラマが、自らゲームデザイナーを名乗る例も存在している。

しかし、一般の例においてはゲームデザイナーやシナリオライターをプランナーに内包する場合が多く、ゲームデザイナーと言う肩書きを使用する事自体がコンピュータゲームの開発においては珍しくなっている。むしろ、本来の担当にかかわらずゲームデザイナーの肩書きを使用している人は、ゲームの内部設計部分を重視しているゲームクリエイターであると言える。

なお、非コンピュータのゲーム開発においては、広義的にゲームデザイナーの肩書きを使用する事は珍しく、コンピュータゲームの世界と比べて分業と作業に対する肩書きの明確化が出来ていると考えられる。