コジェネレーション
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コジェネレーション(cogeneration)は、内燃機関、外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める、新エネルギーのひとつである。 略してコジェネとも呼ばれ、古くは熱併給発電(ねつへいきゅうはつでん)といった。
日本においては、京都議定書の発行に伴い、製造サイドとして電機メーカーやガス会社が、需要者サイドとしてイメージ向上の効果も狙うスーパーマーケットや大エネルギー消費者である大規模工場などで関心が高まっている。
コジェネレーションを発展させたものに、トリジェネレーションがある。
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[編集] 構成
[編集] ガスタービンエンジンシステム
ガスタービンエンジンより排出される排気によって蒸気を作成する。 蒸気吸収冷凍機で冷熱を製造したりと、蒸気使用設備で有効に使用される。 特にガスタービン発電機と、その排熱を利用した蒸気タービン発電機を複合した発電をコンバインドサイクル発電という。
発電効率15~33パーセント、総合効率で65~75パーセントが可能である。
[編集] ガスエンジンシステム
ガスエンジンの排気で、排熱ボイラで蒸気または温水を、また、エンジン冷却水で温水を製造する。
蒸気を蒸気使用設備で使用したり、蒸気吸収冷凍機で冷熱を製造したりする。また、温水を温水使用設備で使用したり、温水吸収冷凍機で冷熱を製造したりする。発電効率27~45パーセント、総合効率で65~85パーセントが可能である。
[編集] ディーゼルエンジンシステム
ディーゼルエンジンの排気で、排熱ボイラで蒸気または温水を、また、エンジン冷却水で温水を製造する。
蒸気を蒸気使用設備で使用したり、蒸気吸収冷凍機で冷熱を製造したりする。また、温水を温水使用設備で使用したり、温水吸収冷凍機で冷熱を製造したりする。発電効率35~40パーセント、総合効率で70~75パーセントが可能である。
[編集] 導入条件
熱量を電力量で割った値を熱電比という。熱電比は建物の用途によって異なり、ホテルや病院で大きく、オフィスビルやデパートなどでは小さい値をとる。コジェネレーションシステムによって供給される熱電比が、建物の需要する熱電比と大きく異なる場合、コジェネレーションを導入してもエネルギーを有効に利用することができない。また、住宅など熱需要の大きい時間帯と電力需要の大きい時間帯がずれている建物もあり、このような場合も大きな省エネ効果を期待することはできない。そこで、生成する熱電比をある程度変えることのできるコジェネレーションシステムも存在する。
[編集] 家庭用
従来は事業所がメインだったが、最近では燃料電池や都市ガスを利用した家庭用のコジェネレーションも登場してきている。
- 燃料電池(ライフエル 等)
- エコウィル(小型ガスエンジン発電)