コチニール色素
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コチニール色素(こちにーるしきそ)は、赤色の色素。カイガラムシ科のコチニールカイガラムシ(和名エンジムシ)を乾燥し、すり潰して色素とする。
[編集] 名称
コチニール色素
[編集] 簡略名
カルミン酸色素、カルミン酸、コチニール
そのままで染料あるいは食品添加物(赤色の天然着色料)として使用される。またかつては不溶化(レーキ化)してコチニールレーキという名の赤色顔料としても使われた。コチニールレーキは赤色絵具のクリムソンレーキやカーマインに使われた。
なおコチニール色素、すなわちカルミン酸はアントラキノンの誘導体であるが(キノンを参照)、アントラキノンを含む赤色顔料アントラキノンレッドの顔料としてのカラーコードはPigment Red 177である。近年のクリムソンやカーマインは合成されたアントラキノンレッドに代替されている(一部メーカーではアリザリンレーキで代替している)。
発がん性が指摘されたこともあるが、その後検証が行われた結果、一定の許容量以下であればほぼ問題ないとされ、引き続き用いられている。