コンピュータシステム
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コンピュータシステム(英: computer system)とは、コンピュータを中心に組み上げられた、情報処理(入力・計算・加工・出力など)を行うためのシステム(機構)のことである。
広義には、個人用のコンピュータであるパーソナルコンピュータ (PC) も含まれるが、狭義には、企業内で業務用に使用される、大量データ用の処理システム(従来からコンピュータシステム、電子計算機システムなどといわれているもの)をいう。
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[編集] 概要
コンピュータは、種種のハードウェアやソフトウェアなどを組み合わせて動作する。このため、コンピュータの動作に必要なもの(コンピュータの本体などを含む)を「複数の構成要素からなるシステム」として捉え、これらを一体的に扱って設計・運用・改善しようとする。
通例、コンピュータシステムには、構成要素としてハードウェアとソフトウェアが必ず含まれ、社会の情報化によって現代社会において、ルーターなどの通信機器などもコンピュータシステムの構成要素とされるようになってきている。
コンピュータシステムは、業務の高速化を目的に積極的な活用が行われており、情報システムの性能にも大きく関わっている。コンピュータシステムは、各種業務を行っている情報システムの基盤でもあり、一般の市民も利用する、銀行などの預貯金(勘定系)システム、列車や飛行機など交通機関の座席予約システム、図書館の蔵書の検索貸出システムなどの情報システムを円滑に動作させる上できわめて大きな位置を占めている。
21世紀の現代では、コンピュータシステムが社会基盤や経済活動、日常生活に深く関わっており、とりわけ銀行や証券会社など金融機関のコンピュータシステムの不具合が発生すると業務の停止・遅延などが生じるため、日常生活や経済活動に対する影響力も強い。
[編集] コンピュータシステムの類型
[編集] オンラインリアルタイム(即時)システム
データ処理に即時性が求められる銀行などの預貯金、交通機関などの予約、在庫・売上管理など
- マルス - JR鉄道駅や大手旅行会社などの「みどりの窓口」
- 金融機関のオンラインシステム - 勘定系システム、全国ATM網など
- コンビニエンスストアなどのチェーンストアにおける売上管理
[編集] バッチ(一括処理)型システム
かつて通信回線やハードウェアの費用が高額であった時代(1980年代まで)には、データの処理に必ずしも即時性を要求されない業務(在庫・売上管理や財務処理など)には、1日毎のバッチ処理が多く行われていた。しかし、コンピュータ能力の向上と通信回線費用の低下やより一層の業務の効率化の目的から、財務や経営に関する各種資料を即時に近い形で要求されることが多くなったため、バッチ処理による業務処理は減ってきている。2005年現在では、日次、週次、月次(給与計算など)、上半期・下半期、年次の還元・統計資料を作成する業務に多く使われている。
なお、メインフレーム/汎用機におけるトランザクション処理システム CICS や DB/DCシステム IMS などは、業務処理システムとしてはオンラインシステムであるが、技術的にはバッチ処理として動いている。
[編集] 関連項目
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