サ行変格活用
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日本語動詞の活用の種類 | |
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文語 | 口語 |
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上一段活用 |
カ行変格活用 | |
サ行変格活用 |
サ行変格活用(さぎょうへんかくかつよう)とは、日本語の口語文法および文語文法における動詞の活用のひとつである。活用語尾が、五十音図のサ行の音をもとにして、変則的な変化をする。縮めて「サ変」とも呼ぶ。「する」(文語では「す」)とその複合動詞がこの活用をする。また、「論ずる」のように、濁音で活用するものでもサ行変格活用という。
この活用は他の活用と異なり、動詞全般にわたる規則を説明するものではなく、「する」という語自体に見られる不規則性を記述したものである。「する」が不規則になるのは日常的によく使われる語だからである。日常的によく使われる語は歴史的に文法や音韻規則が変化していっても、それに従って形態を変えることが嫌われ、長く古形を残すことが多く、これをジフの法則と呼ぶ。英語であっても「する」に相当する "do"は他の動詞と異なり、不規則な活用をしている。
目次 |
[編集] サ行変格活用動詞の活用
[編集] する(口語)
[編集] 論ずる(口語)
語幹:論(ろん)
- 未然形-じ、ぜ
- 連用形-じ
- 終止形-ずる
- 連体形-ずる
- 仮定形-ずれ
- 命令形-じろ、ぜよ
[編集] す(文語)
- 未然形-せ
- 連用形-し
- 終止形-す
- 連体形-する
- 已然形-すれ
- 命令形-せよ
[編集] 変化の傾向
「感ずる」・「信ずる」など、これらの活用(口語)も文語の上二段活用に似ていて、上二段活用のように上一段活用になる傾向(「感じる」・「信じる」など)にある。また「愛する」・「解する」など、五段活用(「愛す」・「解す」など)になる傾向にあるものもある。