ジャノメチョウ
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ジャノメチョウ亜科 Satyrinae | ||||||||||||||
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ジャノメチョウ(蛇の目蝶)は、チョウ目・タテハチョウ科・ジャノメチョウ亜科(Satyrinae)に分類されるチョウの総称。またはその中の一種・ナミジャノメ(学名 Minois dryas )の別名。
ジャノメチョウ亜科はジャノメチョウ科(Satyridae)という独立した科で扱われることもある。
[編集] 概要
南極大陸を除くすべての大陸に分布する。熱帯に生息する種類が多いが、中には厳しい環境の高山地帯に生息するタカネヒカゲやベニヒカゲのような種類もいる。
成虫の前翅長はどれも2cm-6cmほどで、チョウとしては中型の部類に入る。前脚が退化して短くなっているが、これはタテハチョウ科に共通する特徴である。
「蛇の目」の名のとおり、翅に目玉模様をもつのが特徴で、種類によって模様の形状、数、配置が異なる。翅の地色は黄色、褐色、黒など、チョウにしては地味な色が多いが、熱帯地方には青、白、赤などの模様が入った派手な種類もいる。また、スカシジャノメ類は翅が透明である。
森林や草丈の高い草原など、日陰を好んで飛び回る種類が多い。花にもやってくるが、花よりも腐った果実や樹液、動物の糞などを好み、これらにやってきて汁を吸う姿が見かけられる。
幼虫はタケやササを含むイネ科植物を食草とするものが多い。幼虫は頭部と尾部に突起があるが、他のタテハチョウ類とちがって体には長い毛や突起がなく、細長いイモムシ形をしている。蛹は垂蛹型で、尾部のカギ状器官だけで逆さ吊りになる。
[編集] 分類
6族・243属・約1750種類が分類されており、名前のついていないものを含めると2000種類を超えるとみられる。また、族の区分についても研究者によって説が分かれる。
- スカシジャノメ族 Haeterini - スカシジャノメ類
- コノマチョウ族 Melanitini - ウスイロコノマチョウ、クロコノマチョウなど
- マネシヒカゲ族 Elymniini - クロヒカゲ、キマダラヒカゲ(サトキマダラヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲ)など
- Eritini族
- Ragadiini族
- ジャノメチョウ族 Satyrini - ベニヒカゲ、クモマベニヒカゲ、タカネヒカゲ、ナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメなど