スポーツチャンバラ
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スポーツチャンバラとは、日本において行われていたチャンバラごっこに、警察で行われている逮捕術の型の要素と安全性とルールの導入によりスポーツ(武道)として確立させたものである。略称はスポチャン。創始者は田邊哲人(現・国際スポーツチャンバラ協会及び社団法人日本スポーツチャンバラ協会会長)
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[編集] 概要
その昔、遊び道具として現代のようなテレビゲームが存在しなかった頃、友達と遊ぶ遊びとしてチャンバラごっこがあった。男の子も女の子もみな、棒きれを探してきては剣にみたて、それでよくチャンバラごっこをしたものである。しかし、次第に時代の流れというのか、木の棒で戦いあっていたりすると、「勉強の方が大事だ」「危険だ」「怪我をする」などと言われるようになっきた。そのような年代の少年少女たちも、成長しいつしかチャンバラごっこをしなくなった。
そこで、より安全にしかも健康的にと云う観点から、ルールや用具の開発が進められた。現在においても、進化し続けている。
スポチャンのルールはいたって簡単、十分な威力で相手の身体のどこでも良いので剣で斬る(叩く)というのである。いわゆる、「どこを打ってもよいが、どこを打たれてもいけない」というもの。1人対1人でやる「対戦」から、1人対多人数、多人数対多人数といった多人数対戦を「乱戦」、より人数を増やして30人対30人や50人対50人の「合戦」といった対戦方式もある。また、より遊び心を付け加えた30人程度で行い、周りにいる全員が敵と想定し戦う、「サバイバル」がある。
用具も、面と剣、楯があり、剣は安全と公平さを期すため、全世界共通のエアー(空気)を使う。面は、目や耳といった、衝撃に弱い部位を保護するように作られている。また、得物(武器)にも色々種類があり、短刀 (45㎝) ・小太刀 (60㎝) ・長剣 (100㎝) ・杖 (140㎝) ・棒 (210㎝) ・槍 (190㎝) ・ナギナタ (210㎝) と、自分の好みのものを選ぶことが出来る。
これらの得物を使い、各種目ごとに分かれて戦うのである。種目も、短刀の部、小太刀の部、楯小太刀の部(楯と小太刀を持って戦う)、長剣の部、両手長剣の部(試合中は攻撃動作、防御動作としての片手持ちを禁止)、二刀の部(小太刀と長剣を持って戦う)、異種の部(得物自由で何を使ってもよい)があるので、大会の規模で最大三種目と上限が決められることはあるものの、好きな種目に参加することができる。
国内競技団体は日本スポーツチャンバラ協会。国際競技団体は国際スポーツチャンバラ協会。
[編集] 剣道との差異、世界的な普及
あまり知られていないが、剣道には及ばないもののスポーツチャンバラは世界に広く普及されつつある。剣道と比較すると防具等のコストが低く、使いまわしが容易で、武器が剣道の竹刀より比較的安全である。剣道は二刀流を認めてはいるが試合規則が厳密であり、一方、スポーツチャンバラは試合規則が明確でありながら、よい意味でアバウトな面がある。世界普及する要因を多く兼ね備えている。
日本スポーツチャンバラ協会は日本体育協会にも日本オリンピック委員会 (JOC) にも加盟していない。全日本剣道連盟は両団体に加盟してる。国際剣道連盟はIOC公認団体GAISFに加盟し、否決されたが、IOC総会で承認国際競技団体にすべきか諮られたことがある。国際スポーツチャンバラ協会はGAISFにさえ、加盟していない。
[編集] 用具(得物)
- 短刀45cm
短刀は使用されることがあまり多くない剣である。リーチが短いことと、稽古をする場があまりないため使う人は少ない。全国で行われる大会で競技として成り立つことが少ないのも、理由の一つと言える。実力に差が有る場合にハンデとして使用されることもある。唯一、蹴りの使用が認められている。(牽制に使うためであり、蹴りでは勝負は決まらない)
- 小太刀60cm
習い始めたらまず手にする剣である。軽くて扱いやすく、素早く攻防の切替えができる。戦い方は隙を突き攻撃するか、カウンターを取るのが主である。異種等で、戦う時リーチの差で苦戦をするので、基本的には小太刀同士の対戦が主である。
- 長剣100cm(刀)
小太刀と同様に、習い始めて間もなく手にする剣である。リーチが長いため遠間からの攻撃ができる。その反面、大振りになってしまいがちで、相手に攻撃を察知されやすく、慣れるまでは、いささか扱いにくいと感じるところもある。
- 杖140cm
短刀同様使い手はすくない。両端に40cmずつ刃がついており、多方向からの攻撃が可能。しかし、扱いが難しい上に柄の部分が当たって怪我をすることもある。※ちなみに、柄の部分が当たると反則負けである。
- 棒210cm
210cmと非常に長く、扱いにくさもあるがマニアにはたまらない逸品。二刀よりも回転力が鈍く、槍よりもリーチが短いので、俄仕込みの棒使いではなかなかいい成績は収め難いのが現状。しかし、上手に扱うことができれば、攻防一体で強い得物であると言える。 ※棒も杖同様、柄が当たれば反則負けである。
- 槍190cm(薙刀)
最もリーチの長い得物で、精度抜群の突きは人間の反応速度を超える。しかも、重いという部分を考慮すれば誰にでも扱え、ある程度戦える得物である。
[編集] 競技種目(個人戦)
- 基本動作の部
- 短刀の部
- 小太刀の部
- 長剣フリーの部
- 長剣両手(両手長剣)の部
- 二刀の部
- 楯小太刀の部
- 小太刀と楯を用いる種目。楯は防御に使用でき、そのため攻防一体の試合展開になることが多い。
- 槍の部
- 棒の部
- 杖の部
- 得物自由(異種)の部
[編集] 競技種目(団体戦)
- 団体戦
- 合戦
[編集] 外部リンク
- 国際スポーツチャンバラ協会 本部公式サイト
- 大阪府スポーツチャンバラ協会
- スポーツチャンバラ正柳館
- 安全武器術研究会
- YSC SportsChanbara Club
- 産業能率大学スポーツチャンバラ同好会
- スポーツチャンバラ天武羅
- 海外スポチャンWiki
- スマイルスポーツチャンバラクラブ幸ヶ谷教室
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