スーパーマン (架空の人物)
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スーパーマンは、漫画『スーパーマン』に登場する登場人物。
本名:カル・エル。地球名:クラーク・ジョセフ・ケント。
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[編集] キャラクター
[編集] 原作コミック
注意:スーパーマンの設定は1986年にリニューアルされ、それ以前とそれ以降では同じキャラクターでも設定が大幅に異なっている。そのため以下の説明では、リニューアル以前の設定を旧設定リニューアル後の設定を新設定として区別する。
高度な文明を誇りながらも崩壊の危機に瀕していたクリプトン星の執行官ジョー・エルは自分の息子カル・エルを救うためカプセルに乗せ、未開の惑星「地球」へと放出した。直後クリプトン(秘密の星を意味する)は崩壊し、赤ん坊は惑星の遺児となった。
放出されたカプセルはアメリカ合衆国カンザス州スモールヴィルに飛来し、そこでケント夫妻(ジョナサン・ケント&マーサ・ケント)に拾われた。長らく自分たちに子どものいないことを悩んでいたケント夫妻はその子をクラークと名付け、育てることにした。
- この設定については、旧設定・新設定で共に共通であるが、実は1940年代前半に製作された短編アニメーション版スーパーマン「恐怖の殺人光線」冒頭ナレーションにて、旧設定より更に古い「旧々設定」ともいうべき設定があった事が伺える。
- 放出されたカプセルは、アメリカの片田舎(この時点で地名は一切述べられない)に飛来し、中に入っていた赤ん坊(スーパーマン)はそこを通りかかったドライバー(名前は一切述べられない)に拾われ、すぐに孤児院(かなり大きな建物の絵が一緒に映し出される)に預けられる。
- 他、同作品冒頭ナレーションにて判る旧々設定と旧設定・新設定の相違として、後者ではクリプトン人が地球で超人的な肉体・能力を発揮出来る理由として、互いの恒星の光の違いが源泉とされているが、前者では、クリプトン星に居住してる状態の時も、地球人に比べ肉体が遥かに発達していたという設定になっている。
成長した彼は、自分の能力を世のために役立てることを誓い、スモールヴィルから大都会メトロポリスへ上京する。大学卒業後、デイリー・プラネット新聞社に入社し、スーパーマンとケントとしての二重生活を送ることとなったのである。
- 普段は超能力を抑えており、変身は眼鏡を外し、着替えるだけ。眼鏡からは微弱な催眠波が放射されており、クラークとスーパーマンの類似に気づかれない様に、周囲に暗示を与えている。また脱いだ後の平服は力任せに圧縮し、マント裏にあるポケットに収めている。
- 胸のアルファベットSマークは、当初は単純に「SUPERMAN」の頭文字「S」を意味していたが、後に、クリプトン星の銘家であったエル一族の家紋(地球のアルファベット文字「S」との酷似は偶然)という設定とされた。
- メトロポリス大学でジャーナリズムを学んだクラーク・ケントは卒業後、新聞社・ディリ-プラネットに就職する。派手さはないが、その記事は老人福祉問題を取り上げるなど地味ながら社会派の堅実な内容を得意としており、中堅記者として信頼されている。「スーパーマンが救えない人々をペンで救う」のが信条。同僚のロイス・レインから見たクラーク・ケントは、大男のくせにやや猫背で話し方も低い声でぼそぼそ喋るきわめて地味な男で、大事件があると真先に逃げ出してしまう小心者。スーパーマン関連の特ダネをロイスが独り占めにしているので、「あなたって肝心なときにいつもいないのよねぇ」と酷評されている。特技は記事の早書き。
- 友人には同僚のロイス・レインの他にカメラマンのジミー・オルセンに、鬼編集長のペリー・ホワイトがいる。ペリー・ホワイトは、大事件のすぐそばにいるというチャンスがありながら、いつもそれを逃してしまうクラークに歯がゆいものを感じてしょっちゅうカミナリを落とす。
- スーパーマンへの変身は単に着替えるだけなので、クラーク・ケントは背広を着た記者の姿のときでも、スーパーマンとしての全ての能力が使うことができ、取材や捜査のためにその能力を使用することもたびたびである。特にXレイ・ビジョン(透視能力)は役立っているようだ。ただし原則としてクラーク・ケントの姿で空を飛ぶことはない。
- 記事を書くスピードはタイプライターにはさんだタイプ紙が摩擦熱で燃えてしまいそうになるほど速いので、スーパーブレスで冷やしながら書くこともある。
- いつでもスーパーマンとして活動できるように、クラーク・ケントは背広の下にスーパーマンのコスチュームを着ている。緊急事態では胸のワイシャツを左右にはだけるので、このとき「S」のマークが登場する。当時は電話ボックスで着替えることが多かったが、最近では電話ボックスそのものが無いので変身場所にはいつも苦労しているようだ。変身前の決め台詞は「どうやらスーパーマンの出番のようだ」。
- 地球の養父母であるジョセフ・ケント、マーサ・ケントを実際の両親同様に非常に大切にしている。スーパーマンのよき理解者でありほとんど唯一の相談相手でもある。ケント夫妻はコミックスやドラマ、映画で設定が異なり両親とも健在だったり両親とも他界していたりジョセフが他界していたりとばらばらだが、最新の設定では夫妻は健在である。
旧設定 | 新設定 | |
---|---|---|
スーパーガール | クリプトンの崩壊を生き残ったスーパーマンの従妹 | 異次元世界で悪のクリプトン人に対抗するために作られた人造生命体。後に旧設定と同じ設定の新スーパーガールも登場した。 |
スーパーボーイ | 少年時代(スモールヴィルに住んでいた頃)のスーパーマン | スーパーマンの能力をコピーされたクローン体。 |
クリプト | 超能力を持つスーパーマンの飼い犬。惑星クリプトンから打ち上げられた人工衛星に生きたまま積まれたクリプトン産の犬が、惑星クリプトン崩壊後、周回軌道を外れ、太陽系(地球・スモールヴィル)に辿り着き、少年時代のクラーク・ケントに救出され、そのまま飼い犬になった。 | |
コスチューム | クリプトン星から放出された際、クラークの体を包んでいたクリプトン星産の毛布。少年時代に義母マーサ・ケントにより縫い合わされる(生地とそれをほぐして作られた糸の切断は、クラークの目から熱線を放出してもらった)。特殊な生地であるため、幾らでも伸び縮みし、少年時代のサイズに合わせて作られてはいるが、成人後にも何不自由無く、そのまま着用可能。 | 義母であるマーサ・ケントによる手作り。地球のごくありふれた生地で作られているが、スーパーマンが着用することで強靭なものへと変化する。 |
バットマン | お互いの正体を知る仲で親友。ジャスティス・リーグ等の多くのクロスオーバー作品で競演している(アニメ化もされている)。 | 旧設定同様に互いの正体を知っておりジャスティス・リーグ等のクロスオーバー作品で競演しているが、実力を認め合いながらも正義の方法論を巡って対立することも少なくない。 |
北極 | 孤独の要塞という秘密基地兼住居を構える。 | |
その他 | 後に同僚記者であったロイス・レーンに正体を明かし1996年に結婚。 |
[編集] 『バットマン』&『ジャスティス・リーグ』
近年の設定でバットマンが、より法律の枠を超えて振舞うようになっているため、高潔な彼とは親友という関係ではない。とは言え、互いに犯罪を憎むものとして理解、信頼しつつ、距離を置いて協力し合っている。番外編では「アメリカの正義」を体現する彼と「個人の正義」を体現するバットマンが対立し、『バットマン・ダークナイト・リターンズ』『DK2』(パワードスーツを着用したバットマンと戦い、クリプトナイトを浴びせられボコボコにされる)『キングダム・カム』(バットマン率いる若いヒーローたちとジャスティスリーグが対立)など、激しい戦いとなる展開が多い。
[編集] 能力
- 80万トンの物体を持ち上げる怪力。
- 40メガトンの核爆発に耐える耐久力。このような耐久力を誇るのはスーパーマンの体表(および体を包む服)が強靭なフォースフィールドで覆われているからであり、それ故たいていのことでは傷つきも汚れもしない。ただし体から離れているマントはフィールドで覆われてはいないため簡単に破れてしまう。
- 最高時速800万kmで飛行。地球の自転にさえ影響を及ぼし、時間を戻す事ができる(映画『スーパーマン』より)
- 超高速の走行力。地球上を走る最高速度については不明だが、高校生時代に、録画された監視カメラをコマ送りしても人体としてはっきり認識できないなどの記録がある。
- 超鋭敏な視覚(望遠・透視・赤外線・X線モード等 鉛のシールドだけは透視出来ない)と聴覚、常人による刃物や銃撃等の攻撃は全て見切れる驚異的な動体視力。
- 眼から熱線(ヒートビジョン)を放射。威力の調節は元より、有効範囲や熱線の幅など自由自在。
- 吐く息で物体を凍結させる(スーパーブレス)。空気を肺で圧縮することで液体窒素にすることにより実現。
- 高速な頭脳、労働作業。高度な計算、数学的能力および事務処理能力。
- 太陽エネルギーが力の源。
- 人間と同じように酸素呼吸しているが、空気を肺で圧縮することで宇宙空間でも行動可能。
- 弱点:崩壊したクリプトンを形成していた鉱物クリプトナイト。発する放射線がクリプトン人にとって致死的であるためであり、鉛製容器に密閉されている場合は問題無い。クリプトナイトの放射線を浴びた状態ではスーパー・パワーがなくなり、普通の人間になってしまうため怪我もすれば死ぬ恐れもある。そして、さらに浴び続ければ約3時間で死にいたる。他に、赤い太陽(惑星クリプトンの存在していた太陽系の恒星。地球が存在している太陽系の恒星、即ち太陽は作品中では対比の意味も込めて「黄色い太陽」と呼称される事がある)や、魔法を苦手とする。強い正義感を持ち地球規模の災害を防ぎ木から下りられなくなった子猫も救うが、人の心を読むような能力は無いためだまされて利用されてしまうこともある。