セントエルモの火
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セントエルモの火(セントエルモのひ、英語 St Elmo's fire)は、静電気などが、尖った物体に発生させる青白いコロナ放電による発光現象。
雷による強い電界が船のマストを発光させたり、飛行船に溜まった静電気でも起こることがある。放電によるシューという音を伴う場合がある。
1749年、ベンジャミン・フランクリンが、この現象が静電気によるものであるとはじめて明らかにした。
セントエルモの火は、カエサル、大プリニウス、メルヴィルの『白鯨』、ダーウィン、サミュエル・テイラー・コールリッジの『老水夫行』において言及されている。
セントエルモの火の名は、船乗りの守護聖人である聖エラスムス(聖エルモ、Erasmus of Formiae)に由来する。イタリアのセントエルモ教会でよく見られたためにこの名がついたというのは俗説である。
古代ギリシャでは、発光が一つの場合「ヘレネ」、二つの場合「カストルとポリュデウケス(ポルックス)」と呼ばれていた。