ソーマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソーマ (soma) とは、ヴェーダなどのインド神話上で、神々の飲料とされるある植物の液汁。また、その植物を神格化したインドの神。月の神とされる。
前者は、ヴェーダの祭祀で用いられる一種の興奮飲料であり、原料の植物を指すこともある。ゾロアスター教でも同じ飲料(ハオマ)を用いることから、起源は古い。神々はこれを飲用して英気を養い、詩人は天啓を得るために使った。高揚感や幻覚作用を伴うことから、酒ではなく、麻薬の一種ではないかともいわれる。ソーマは神々と人間に栄養と活力を与え、寿命を延ばし、霊感をもたらす霊薬という。リグ・ヴェーダ第9巻全体がソーマ賛歌であり、その重要性が知られるが、植物学上の同定は困難。