タイガーヘリ
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タイガーヘリは、1985年にアーケードゲームとして登場した縦スクロール・シューティングゲーム。販売はタイトー、製作は東亜プラン。
ヒット作究極タイガーは続編にあたる。
ゲーム内容としては、ヘリコプターを操り、敵の戦車、船舶、砲台などを破壊していくというもの。
東亜プランのシューティングゲーム(以下STG)としては最初の作品にあたり、 現代の縦スクロールSTGの系統樹の始祖に近い位置にある。既に当作品において現代STGに通じる様々な要素が搭載されている。
ファミコンにも移植された。
[編集] 近い年代のシューティングゲームとの関係
- 1979年 - ギャラクシアン : STGの基本的な構造が固まる
- 1983年 - ゼビウス : 地上空中撃ち分けタイプの縦STGの始祖
- 1984年 - スターフォース : 地上空中撃ち分けなしの縦STGの始祖
- 1985年 - 当作品
当作品において攻撃してくる敵は空中でなく地上に存在する。この点はゼビウスとの共通点であり (なお、ゼビウスには攻撃してくる空中敵も存在する)、スターフォースとの相違点である。 しかし、その破壊には地上向けショットを必要とせず、すばやく連射できるメインショットをそのまま利用できる。 地上物をメインショットで破壊できるのはスターフォースとの共通点である。
ゼビウスから受け継いだ地上物と地形との関係、 攻撃してくる地上の砲台や戦車の弾をかわしてメインショットで破壊するという当作品の要素、 地形を読んで先回りすることで敵を攻撃前に破壊し安全に進んだり、 敵弾の撃たれる方向を回避しやすいものに誘導したりなどは、 飛翔鮫や究極タイガーにおいて空中敵をくわえ結実し、 のちの雷電や怒首領蜂、虫姫さまなど現代STGに連綿と受け継がれている。
小型ヘリによるパワーアップで音楽も変化する点はスターフォースに通じるといえる。
射程の短いメインショットはスラップファイトにも一部受け継がれたが、以降は射程の制限はないものが標準的となった。
[編集] ゲームシステム
武器は射程の短いメインショット(画面内に3発)と、ボタンを押してから爆発までに少し間があるが広範囲に攻撃でき敵弾の消去もできる強力な爆弾。 当作品は回数制限のある強力なボム(爆弾)を持った初のSTGであり、いわゆるボムシューの始祖ともいえる。
パワーアップとして小型ヘリがあり、自機の左右に1機ずつ、合計2機配備できる。 白は前方、赤は左右への攻撃(1機あたり画面内に3発で射程あり)が可能となるが、被弾した小型ヘリは爆発し消滅してしまう。
爆弾は2個まで装備できる。自機左右の爆弾部分に被弾すると自動的に爆発し、 現在のシューティングゲームのオートボム機能に近いはたらきをするが、 爆弾以外の自機部分に被弾したときのフォローがなくミスになる点でオートボムと異なる。
スラップファイトのようなスピードアップ、究極タイガーのような武器チェンジはまだ無い。
毎ステージ最後にボスが登場するというわけではないが、2面中盤(1台)や3面中盤(2台同時)など大型で耐久力があり多量の弾を撃ってくる強力な戦車が存在するステージもある。
戻り復活制であり、復活ポイントは1~2画面ごとで、ゼビウスのように先に進んで復活することもある。コンティニュープレイシステムはまだ無い。
隠しキャラクターの破壊で1万点などの隠し要素があちこちに用意されている。
難度はかなり高い。自機の遅さと当たり判定の大きさ、メインショットの射程の短さ、厳しい敵配置などが理由である。 ボムを使わないと極端に高難度になる場面などは達人にも通じる。
この後の飛翔鮫などではより遊びやすく改善された。
自機は移動速度がとても遅く当たり判定が大きい。 戦車に少し近いときには「自機と戦車を結ぶ線分と垂直に移動し続けていても撃たれて墜落する」ほどである。 それでいて後方から大量に戦車が登場するような場面も多く、砲台に密着しても弾を発射される (稀な状態だが砲台の中心と砲身の先端の間に自機をおけば、砲身の先端からいわば自機を通り越したように発射されることもある) ため、いわゆる封印というテクニックも使えない。 その一方で敵配置を完全に暗記し、見てからの行動でなく(未来を知っているかのように)先に対処してゆくことで難度は大きく下がる。 これらは現代のSTGにおいては理不尽とされる。ゲームに大きな影響を及ぼすこれらの要素、自機の移動速度や当たり判定などは時代とともに変化していった。
敵戦車の砲塔が自機を向くまでは攻撃されることはない。戦車の砲塔は砲撃後しばらく硬直し、そののち自機を狙うように回転を開始する。この要素は当作品が始祖といえ、以降雷電や怒首領蜂ほかケイブSTGなど多くのアーケードSTGに受け継がれている。
敵の砲塔の動きをよく見て自機を動かすことが攻略のコツ。
[編集] 外部リンク
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