タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦
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タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 | |
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艦級概観 | |
艦種 | ミサイル巡洋艦 |
艦名 | 古戦場。一番艦はタイコンデロガの戦いに因む。 5番艦は人名。 |
前級 | ヴァージニア級原子力ミサイル巡洋艦 |
次級 | CG(X) |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:7,652t~(建造時期、装備によって異なる) 満載:9,407 - 9,590t(建造時期、装備によって異なる) |
全長 | 172.8m |
全幅 | 16.8m |
吃水 | 9.5m |
機関 | ガスタービンエンジン4基 80,000馬力 |
最大速力 | 30ノット以上 |
航続距離 | |
乗員 | 358名(CG-48は312名) |
武装 | ・Mk45 5インチ単装砲 2門 ・ファランクスCIWS 2基 ・ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒 2基 ・Mk26スタンダードミサイル/アスロック連装発射機 2基(1 - 5番艦) ・Mk41VLS(61セル)2基(6番艦以降) |
搭載機 | SH-2または
SH-60B哨戒ヘリコプター 2機 |
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(Ticonderoga Class guided missile cruiser)は、アメリカ海軍艦隊防空システムの総決算であるイージスシステムを初めて搭載した大型戦闘艦である。1番艦タイコンデロガは1983年に就役し、1994年までに同型艦27隻が就役した。米海軍の巡洋艦としては、クリーブランド級軽巡洋艦と並び最多建造数を誇っている。現在ではアメリカ海軍が保有する唯一の巡洋艦となっている。
冷戦期にソビエト海軍が計画した対艦ミサイル飽和攻撃から空母機動部隊を防御するためにスプルーアンス級駆逐艦の船体を流用して開発された。従来の広域防空艦(エリアディフェンス艦)が、同時に1~2発の対空ミサイルしか誘導できなかったのに対し、タイコンデロガ級に搭載されたイージスシステムは16ないしそれ以上の目標への同時対処が可能になるなど画期的な性能を持つ。タイコンデロガ級は現在のところ水上戦闘艦で一番防空能力に優れた艦であるといえる。なお、計画当初はミサイル駆逐艦に分類されていた。
1988年7月3日、3番艦ヴィンセンス (CG-49) はホルムズ海峡でイラン航空655便に対してスタンダードミサイルを誤射、これを撃墜するという事件を起こした。
VLS搭載の無い5番艦までが旧式化、最優先の退役の対象とされ、4番艦ヴァリー・フォージが2004年8月30日、最初の退役となった。ネームシップであるタイコンデロガも9月30日付で退役した。同艦の最後の任務はカリブ海での麻薬取引監視であった。
本級は4つのサブタイプに分けられる。初期型である1~5番艦はベースライン1、Mk.41VLSを搭載した6~12番艦はベースライン2、AN/SPY-1Bレーダーを搭載した13~18番艦はベースライン3、AN/SPY-1B(D)を搭載した19~27番艦はベースライン4と称される。ベースライン1のうち3~5番艦は重量軽減対策が施されているため、1,2番艦を特にベースライン0と分類する例もある。
目次 |
[編集] TMD対応
本艦のイージスシステムは後続のアーレイバーク級ミサイル駆逐艦を上回る処理能力を有するため、TMD構想の中核となることが期待されている。 シャイローは初のMD対応艦としてシステムのアップデート、SM-3の搭載など所要の改装を施された。
[編集] 同型艦
艦名後の年月日は退役日。
[編集] ベースライン0
[編集] ベースライン1
- ヴィンセンス (USS Vincennes, CG-49) 2005.6.29
- ヴァリー・フォージ (USS Valley Forge, CG-50) 2004.8.30
- トーマス・S・ゲイツ (USS Thomas S. Gates, CG-51) 2005.12.14
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[編集] ベースライン2
- バンカー・ヒル (USS Bunker Hill, CG-52)
- モービル・ベイ (USS Mobile Bay, CG-53)
- アンティータム (USS Antietam, CG-54)
- レイテ・ガルフ (USS Leyte Gulf, CG-55)
- サン・ジャシント (USS San Jacinto, CG-56)
- レイク・シャンプレイン (USS Lake Champlain, CG-57)
- フィリピン・シー (USS Philippine Sea, CG-58)
[編集] ベースライン3
- プリンストン (USS Princeton, CG-59)
- ノーマンディー (USS Normandy, CG-60)
- モンテレー (USS Monterey, CG-61)
- チャンセラーズヴィル (USS Chancellorsville, CG-62)
- カウペンス (USS Cowpens, CG-63)
- ゲティスバーグ (USS Gettysburg, CG-64)
[編集] ベースライン4
- チョーシン (USS Chosin, CG-65)
- ヒュー・シティ (USS Hue City, CG-66)
- シャイロー (USS Shiloh, CG-67)
- アンツィオ (USS Anzio, CG-68)
- ヴィックスバーグ (USS Vicksburg, CG-69)
- レイク・エリー (USS Lake Erie, CG-70)
- ケープ・セント・ジョージ (USS Cape St. George, CG-71)
- ヴェラ・ガルフ (USS Vella Gulf, CG-72)
- ポート・ロイヤル (USS Port Royal, CG-73)
[編集] 登場作品
- エースコンバット5:オーシア軍イージス艦「エクスキャリバー」として登場
- 沈黙の艦隊:「やまと(シーバット)」追撃のため米第三艦隊「ヴェラ・ガルフ」・「レイク・エリー」で「やまと」を追い込むが、「やまと」の放った無弾頭魚雷で身動きが取れなくなったところを自らが打ち込んだアスロックの爆破の影響を受けて撃沈。
- 新世紀エヴァンゲリオン :国連海軍艦艇として登場。
- 鋼鉄の咆哮 :2以降、完成艦キットとしてプレイヤーが使用可能。また敵艦としても登場する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- navysite.de: The Ticonderoga (CG 47) - Class
- Federation of American Scientists Report: Ticonderoga class guided missile cruisers