タイ愛国党
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タイ愛国党(タイあいこくとう)は、タイ王国の政党で2001年以降議席の過半数を占める与党。1998年(タイ仏歴2542年)にタイの財閥シン・コーポレーション・グループ会長のタクシン・チナワットによって設立された。英語では Thai Rak Thai Party といい、TRTと略されることもある。タイ語ではパック・タイ・ラック・タイพรรคไทยรักไทยといい、「愛国党」というよりもタイを愛するタイ人の党と言う意味である(華字表記は「泰愛泰黨」)。愛国党という表記に対する日本のイメージに反して、経済政策面ではやや左派的であり、タクシン派の糾合政党という色合いが強い。党幹部や地方の組織には歴代政権に迫害され続けた旧共産党員がいる。
政策は開発独裁を志向している為、やや反民主主義的かつばらまき福祉的とも。反対派などからは党首タクシンの個人的な利権団体だという意見もある。党員数約1400万人。下院議員数は294人(06年下院解散前)。
2006年9月、軍事クーデターによりタクシン首相は失脚し、党を支えてきた資金源が断たれた。民主改革評議会により、政党活動が禁止された。その為、現在は北京に支部を構えている。なおタクシンは失脚後、党首を辞任。現在はジャトゥロン・チャイセーン副党首(前教育相)が党首を代行しているが、有力メンバーの離党が相次ぎ、存続の危機にある。