タコライス
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タコライス (Taco-Rice) は、タコスの具である挽肉・チーズ・レタス・トマトを米飯の上に載せた沖縄料理。辛みをつけたサルサ(スペイン語で「ソース」の意)を乗せて食べる。
[編集] 概要
1960年代の沖縄県で発祥したとされ、同県では学校給食に採用されるなど非常に一般的な料理となっている。
油を引いたフライパンで挽肉を塩・胡椒・チリパウダーなどで味付けし、皿に盛った米飯の上に味付けした挽肉、千切りのチーズ、千切りしたレタス、半月切りのトマトをこの順に乗せ、潰したトマトとケチャップ、タバスコなどで作ったサルサをかけて作る。挽肉とサルサの辛みをレタス・トマト・チーズで緩和し、米飯と一緒に食べるもので、食べ方の感覚としてはカレーライスに近い。
1996年にケンタッキーフライドチキンで「ライスタコス」として同様のものがメニューに登場したほか、2004年からは吉野家、2006年からはほっかほっか亭の沖縄県内の店舗で販売されている。
最近では他地域からの旅行者も増え、タコライスは有名であるが、未だにたこを使用したものと誤解して思う人もいるため、ジョークのつもりでたこを具に入れた「タコ入りタコライス」を製造したところ、人気が出たとする店もできた。
[編集] 発祥・由来
タコライスは、ベトナム戦争時の沖縄県金武町キャンプハンセンのゲート前に広がる米兵を相手にした飲食店街で生まれた、というのが定説になっている。「キングターコス」もしくは「パーラー千里」両説がある。従業員のまかない用に米飯にタコスの具を乗せたものが始まりである、という説、タコスよりボリュームがあるメニューとしてある店で考案された、という説などがある。現在、金武町の同飲食店街ではタコライスを売る店が複数あり、いずれもが「元祖」「発祥の店」を名乗っている。タコスは英語では“taco”(「タコス」は複数形“tacos”から)であり、タコスの具を乗せた飯、という意味でタコライス (taco-rice) と命名されたと考えられる。