テクニカルエンジニア (ネットワーク)
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テクニカルエンジニア(ネットワーク)(略称ネットワーク、もしくはNW)とは、情報処理技術者試験の一区分であるテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験に合格した者に認定される資格である。この資格は、システムエンジニアの中でも主にネットワークの設計担当者や管理責任者を対象としている。試験のレベルは高く、ネットワークに関する試験の中でも最難関のものの1つである。合格率は例年ほぼ6~8%程度と低い。この区分は高度情報処理技術者に含まれている。
元々は1988年にオンライン情報技術者試験として登場した。1994年に情報処理技術者試験が大幅に再編された際、ネットワークスペシャリスト試験とデータベーススペシャリスト試験に分割された。本試験はネットワークスペシャリスト試験の流れを汲む。さらに2001年に再び再編された際に、現在の名称に変更された。導入当初より、年齢制限や受験資格のようなものは一切ない。
以下、テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験について述べる。
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[編集] 試験
例年、10月の第3日曜日に秋期情報処理技術者試験の一区分として行われる。
午前試験は多岐選択式、午後試験は記述式と論述式(事例解析)に分かれている。
[編集] 午前
マークシート式で55問出題され、全問解答しなければならない。約半分がシステム開発の知識やコンピュータシステムに関する問題で、後の半分はネットワークに関する知識を問う問題である。試験はIRT(項目応答理論)によって採点され、800点満点中600点以上で合格である。
[編集] 午後I
LANの設計、WANの設計、ネットワークシステムの運用設計・性能評価などに関する問題が4問出題される。そのうち3問を選択して解答する。素点採点で、800点満点中600点以上で合格となる。
[編集] 午後II
ネットワークシステムの構築設計・評価・改善を扱う問題が2題出題される。1題を選択して解答する。これも素点採点で、800点満点中600点以上で合格となる。
[編集] 資格の評価
テクニカルエンジニア(ネットワーク)は、ネットワーク技術がインフラとして必須のものになりつつある時期に導入された区分である。当時はネットワークに関する試験はほとんど無く、試験自体も難しいため、社会的評価も高かった。また受験資格が一切不要であったことからも、第一種(ソフトウェア開発技術者)の次に目指す区分としてデータベース試験と同様にもてはやされた。
この傾向自体は変わらないが、2001年に情報セキュリティアドミニストレータ試験が同じ秋の試験として導入されると、情報セキュアド試験の方が難易度は低いにもかかわらず、テクニカルエンジニア (ネットワーク)試験合格と同等の評価を得られるということで、情報セキュアドを受験する者が増加した。結果として本試験の受験生は減少傾向にある。