資格
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資格(しかく)とは、ある行為を行うことを権限者から許された地位をいう。入場資格、入会資格、発言をする資格、など、多用な場面で使用される。
また、業務等に関連して、ある行為を行うことを、行政により付与された地位(行政講学上の許可、特許)をもさす。国家資格等がこれにあたる。これが転じて、その能力があることを確認権限者により確認(行政講学上の確認)された立場をも指すことがある(確認方法の例として検定試験)。
資格は、権限者への申請、試験等により、権限者がその権限に基づいて付与する。
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[編集] 資格の分類
資格の分類には、その権限者によるものと、その効力によるものがある。
[編集] 権限者による分類
[編集] 国家資格
国家資格とは、法律に基づいて国が実施する試験等によって、個人の専門的な知識や技能が一定の段階以上に達していることを行政が確認し、その結果として行政のその権限に基づき、一定の行為を行うことを許可するものである。法に基づき行政によりその権限を委託された民間団体等が事務を所管する場合も含む。
実際の試験事務は、法令により地方公共団体や指定機関が行うものもある。一部の国家資格の付与行為は、行政法学上の「許可」に該当し、一般人には一律に禁止されている行為を特に行うことが許される。(医師、弁護士など)。これらの資格は、「業務独占資格」と呼ばれる。資格の付与についての法律上の用語は一定しておらず、「免許」「許可」等の用語が使用されるが、行政法学上は「許可」「公証」等に該当する。
- 例)
- ・医療従事者(医師、歯科医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、歯科技工士、救急救命士など)
- ・弁護士
- ・いわゆる隣接法律職7士業(海事代理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士、土地家屋調査士、弁理士)
- ・会計系(公認会計士など)
- ・工業系(技術士、技能士、危険物取扱者、毒物劇物取扱者、火薬類製造保安責任者、火薬類取扱保安責任者、電気工事士、電気主任技術者など)
- ・福祉系(社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、栄養士、管理栄養士など)
- ・その他(旅行業務取扱管理者、情報処理技術者、無線従事者)など
また、国家資格には、特別教育や技能講習を受けることにより、資格が取得できるものもある。機械装置などの運転や特定の作業に関するものが多い。これらについては、特別教育による資格の一覧および技能講習による資格の一覧を参照のこと。
[編集] 公的資格
公的資格とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、主に省庁が認定した審査基準を基に、民間団体や公益法人の実施する試験で与えられるものである。一般には「資格」と言われることもあるが、実態は特別な権限(狭義の資格=ある物事を行うことができる権限)が与えられるものではなく、受験者の実力を認定する性質のものである。
[編集] 民間資格
民間資格とは、民間団体や企業が、独自の審査基準を設けて任意で与える資格のことである。法規制がないので、上は業界によっては一定の能力担保がされていると認知されている資格から、下は「資格商法」で与えられるような社会的な評価のほとんどない物まで、さまざまなものが存在する。
[編集] 業務範囲による分類
[編集] 業務独占資格
特定の業務に際して、特定の資格を取得しているもののみが従事可能で、資格がなければ、その業務を行うことが禁止されている資格。名称も独占する。
[編集] 名称独占資格
業務そのものは資格がなくても行うことができるが、資格取得者以外のものにその資格の呼称の利用が禁止される資格。
[編集] 必置資格
ある事業を行う際にその企業や事業所に保持者を最低、必ず置かなければならないと法律で定められている資格。
[編集] 有資格者に対する呼称
「○○の資格」という表現は、○○という名の資格、または○○になることができる資格(を有する)の2つの意味で使われる。
- 試験等によって資格を認定された者に対して、呼称が用意されているもの
- 特別な呼称が定められていないもの
- 公害防止管理者の有資格者などと表現する。
[編集] 資格に関する問題点
近年の経済の状況から、一方的な電話による資格取得にまつわる教材などの販売にかかわるトラブルが多い。また、架空の資格取得をもちかけ金銭を詐取する例や民間資格が将来、国家資格になる予定だと諭して受講等を迫るケースもある。これを士商法(サムライ商法)という。
[編集] 主な資格
- 「日本の資格一覧」の各内部リンク先参照。