ディッケ・ベルタ
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ディッケ・ベルタ(Dicke Bertha,太っちょベルタ、大ベルタ)はドイツクルップ社設計、製造の榴弾砲。口径42cmの巨大攻城砲であり、第一次世界大戦においてドイツ陸軍が使用した。ベルタとはクルップ社社長の夫人の名である。一般的には英米軍が呼んだビッグ・バーサの名で知られる。(ビッグ・バーサは必ずしも42cm榴弾砲を指すわけではなく、ドイツの巨大砲一般に付けられたあだ名で、パリ砲もビッグ・バーサと呼ばれていた。)開発は旅順攻囲戦において帝国陸軍が使用した28cm榴弾砲の威力に触発されて行われた。もともと要塞砲(沿岸砲)であった28cm砲には移動能力がなかったが本砲はそれが付与されている。従って設計は日露戦争中の1904年に始まった。本砲は820kgの砲弾を仰角80°で15km飛ばすことができた。
完成、納入は1914年であり、大戦中のヴェルダンの戦いなどに投入されている。そこでいくつかの堡塁を凄まじい威力の砲撃により破壊した。堡塁を破壊するという点において、本砲は優れた能力を発揮したが、問題がないわけではなかった。自走砲が普及する以前の大砲であったため、移動能力があるとはいえ容易に移動することができなかった。従って位置が特定されると敵方の軽砲により破壊されることが多く、ヴェルダンの戦いでも多くが壊されてしまった。巨大で高価なこの兵器は次々と投入できるような代物ではなかったため、ドイツ軍は破壊されてから要塞攻略のための火力を欠いてしまった。
本砲の設計はカール自走臼砲に引き継がれている。