デルモルフィン
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デルモルフィン (dermorphin) はモルヒネの 1,000 倍の鎮痛作用があるといわれている麻酔薬。2006年4月時点ではまだ研究段階であり、臨床現場では使用されていない。D-アラニンを含むペプチドである。
- 化学式 C40H50N8O10
- 分子量 802.89
- アミノ酸配列 Tyr-dAla-Phe-Gly-Tyr-Pro-Ser-NH2。
通常、生物の体は L-アミノ酸だけで構成されており、微生物や下等動物を起源にもつもの以外では D-アミノ酸は利用されない。デルモルフィンは D-アミノ酸を含むペプチドでありながら、構造化学的性質は L-ペプチドと同等であるため生物に対して本来は利用できないはずの D-アミノ酸を利用させることが可能であり、D-アミノ酸導入によって本来の活性をより高めることで強力な鎮痛作用を発揮している。
また、他のオピオイド受容体よりも μ 受容体に対して100倍もの高い選択性を示す。