ニンフェット
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ニンフェット(nymphet)とはウラジーミル・ナボコフ著の小説ロリータ(1955)においてハンバート・ハンバート博士が述べた概念である。その当時こうした現象を指し示す用語が現在のようになかったために「ニンフェット」は臨床家たちの間で用語として波及していた。
[編集] 概論
ニンフェットとはニンフ(Nymph)を語源とする用語であり、その言葉には性的な意味が込められている。女性の性欲過多、多淫症をニンフォマニア(Nymphomania)と呼ぶが、英語のNymphにはそうした抗いがたい性的魅力を持つものというニュアンスがある。そのためニンフェットとは9歳から14歳の少女をさす用語であるが、当然ながらこの年齢にある全ての少女がニンフェットとは限らない(詳細は小説『ロリータ』を参照)。
医学者であるとともに「人体学的人類学」の体系を築いた研究者であるC・H・シュトラッツ博士の定義によれば、子供は「乳児時代」(0~1歳)、「中性的子供時代」(2~7歳)、「両性的子供時代」(8~15歳)、「成熟期」(16~20歳)と分類される。ニンフェットとはそれにおける「両性的子供時代」に属する。
シュトラッツによると「両性的子供時代」とは乳歯から永久歯への移行と男女の性徴の差異が現れるのが平均して8歳であり、かつ15歳くらいになると身長の伸びが緩やかになっていく為の分類であるとする。
このようにニンフェットの概念はその成長過程による裏付けもあったのであるが、後に4~7歳程度の女児に対して現れる性癖も明らかとなった。この時期においては性器を除けば明らかな男女の身体的差異がないため、理解しがたい人も多く、それらの少女に対する性癖を持つ人はペド(ペドフィリア)という蔑称的なニュアンスを持つ用語で呼ばれがちである。