ネルガル
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ネルガルまたはニルガルは、バビロニアの神の一柱で、彼への信仰は、バビロンの北西15マイルのクター Cuthah(今日ではテル・イブラヒムとして知られる)という都市で主要な地位を占めていた。旧約聖書「列王記」に、ネルガルはクターの神であるとの言及がある。
ネルガルはある面では太陽神の側面を持ち、しばしばシャマシュと同一視される一方、太陽そのもののことを指しているとも考えられる。神話や賛歌の中では、戦争と疫病の神として描かれており、正午や夏至の太陽が人類にもたらす災禍を表していると思われる。メソポタミア人の暦では、夏の盛りは死をもたらす季節だったからだ。
ネルガルはまた、死者(アラルまたはイルカラの名で知られる地下の大洞窟に集められると考えられていた)の国のパンテオンの頂点に立ち、黄泉の国を宰領する神でもある。その能力から、女神アルラツないしエレシュキガルと関連づけられる。アルラツはアラルの民を統治する単独の支配者とされることもあるが、いくつかの資料では、アルラツまたはエレシュキガルが、ネルガルの息子ニナズを生んだとされている。
一般的にはネルガルは、配偶者であるラズと対にされ、標準的なイコンでは彼をライオンとして描く。
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