ノギス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノギス(独:Nonius、英vernier calipers、slide calipers)とは、長さを精密に測定する道具である。
目次 |
[編集] 概要
ノギスは、本尺(主尺)よりも小さく目盛をとった副尺(バーニヤ目盛)と本尺の1目盛の差を利用するものさしである。0.05㎜(0.005cm)まで測定できるノギス(精度0.05mm)の場合、本尺の1目盛りが1mm幅で刻まれているのに対し、副尺の1目盛りは0.95mm幅で刻まれており、1目盛りにつき0.05㎜の差がある。
従来のノギスは、下記の用法のように、1mm以下の値は本尺と副尺の目盛りが1直線上にある点を見つけることで測定する。近年は、デジタル表示するノギスも作られており、0.01mmまで測定することができるものもある。
[編集] 各部の名称
- ジョウ(外側測定面、外側用ジョウ)
- クチバシ(内側測定面、内側用ジョウ)
- デプスバー
- 本尺目盛(cm)
- 本尺目盛(inch)
- 副尺目盛(バーニヤ目盛、cm)
- 副尺目盛(バーニヤ目盛、inch)
- 指かけ
[編集] 用法
右図を用いて説明する。右図のノギスは、精度0.05mm。本尺は1mm幅で、副尺は0.95mm幅で刻まれている。
- ジョウ(副尺)をスライドさせて測定物にあてる。
- ジョウの0の点と本尺目盛から、1mm(0.1cm)以下を切り捨てた値を確定する(右図では2.4cm)。
- 本尺目盛と副尺目盛が一直線上にある点を見つける(右図では副尺の7の目盛)。
- 副尺の「1」は0.1mm(0.01cm)を示している。
- したがって「2.4cm + (7 × 0.01cm) = 2.47cm」であり、測定物の径は2.47cmであることがわかる。
このように、本尺と副尺の1目盛りの差を利用して測定することで、本尺の目盛りを細かくすることなく、精度を高めることができる。
ジョウで物の外側の長さを測定できるほか、クチバシで内径、デプスバーで深さ、そして段差測定などもできる。
[編集] 主なメーカー
以上の二メーカーで日本国内シェアは96%を超える。