ノンアルコール日本酒
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ノンアルコール日本酒(ノンアルコールにほんしゅ)とは、本来はアルコール分が含まれない日本酒の意味だが、実際には1%未満のアルコール分を含む。
[編集] 概説
製造することは不可能とされていたノンアルコールの日本酒は、2003年ごろから登場している。2003年の道路交通法の改正で、飲酒運転への罰則が強化されたため登場したものと思われるが、2006年現在市販品は出回っていない。
その理由は以下の通り。ビールの味を構成する主成分として、ホップ(香り、苦味)・炭酸ガス(清涼感)・アルコール・麦汁が挙げられる。ビールの場合味の中でアルコールが寄与する割合が低いため、アルコールがなくとも他の構成成分で近似の骨格を形成することが出来る。ワインもビールほどではないが同様にアルコール以外の成分で骨格を作ることが可能。ところが日本酒の場合、アルコール分は通常15%とビールの3倍あり、味の構成要素としても大きな割合を示す。よって、そのアルコールを除去した場合、アルコール(HOT感、苦味)+糖分+有機酸+アミノ酸でつりあっていたバランスを維持することができずに「日本酒らしからぬノンアルコール日本酒」となってしまう。現に実験室などでアルコールを除いた日本酒は酸度が変わっていないにも関わらず、すっぱく感じる。ノンアルコールの日本酒製品はその酸味に見合っただけの糖分を増やしているため、さらに本来の日本酒の味からかけ離れてしまっているのである。