バイアウト・ファンド
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バイアウト・ファンド(Buy-Out Fund)は、複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を事業会社や金融機関に投資し、同時にその企業の経営に深く関与して企業価値を高めた後に売却することで高い利回りを獲得することを目的としたファンドである。
具体的には、MBOファンド、買収ファンド、プライベート・エクイティ・ファンド(Private Equity Fund)、企業再生ファンド、ターンアラウンド・ファンド(Turnaround Fund)などと呼ばれているものが該当し、それらの総称としても使われる。主に、LBOと呼ばれる買収先の資産・キャッシュフローを担保とした借入を用いて資金調達する場合が多い。
ネガティブな表現として、買収対象が主に経営危機に瀕した、もしくは破綻した企業であるものが多く、まるで屍肉を漁るとされるハゲタカを思わせることから「ハゲタカ・ファンド」などと言われることもある。
日本での投資活動が活発な主なファンドとして、外資系では日本長期信用銀行(現・新生銀行)の再生を行ったリップルウッド(Ripplewood)(現RHJインターナショナル)、DDIポケット(現ウィルコム)を買収したカーライル(Carlyle)、あおぞら銀行を買収したサーベラス(Cerberus)、明星食品やサッポロホールディングスにTOBを実施したスティール・パートナーズ(Steel Partners)など、国内系では、ダイエーに投資を行っているアドバンテッジパートナーズや、MKSパートナーズ、ユニゾンキャピタルなどがあげられる。
また、世界的に規模の大きいファンドとしては、他にKKR(Kohlberg Kravis Roberts)、Blackstone、TPG(Texas Pacific Group)などがある。