スティール・パートナーズ
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スティール・パートナーズ
スティール・パートナーズ(Steel Partners II LP)は、アメリカ合衆国に本拠地をおく有名なアクティビスト・ヘッジファンドの一つ。代表は1966年生まれで、ペンシルバニア大学卒のウォレン・リヒテンシュタイン (Warren Lichtenstein)。なお、Steel Partners Inc.という照明器具を製造している会社がアメリカにあるが無関係である。
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[編集] 沿革・概要
ウォレン・リヒテンシュタインによって1993年に発足。「スティール」の名前は最初の投資先が鉄鋼株だったことに由来する。アメリカで複数のM&Aを行ったとされ、日本で一躍有名になった2003年12月のソトー及びユシロ化学工業に対する敵対的TOB以降も、韓国のタバコメーカーKT&Gに対してM&Aを仕掛けるなど積極的な動きを見せている。
スティール社、リヒテンシュタイン代表ともにメディアへの露出には極めて消極的であるため、その実態については不明点が多い。
[編集] 日本法人
日本法人名は「スティール・パートナーズ・ジャパン株式会社」(SPJS Holdings LLC)で、2001年11月に設立され、東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル9階に本社機能を置いている。当初は黒田賢三が代表であり、2004年12月には当時の出資先・明星食品の社外取締役として黒田自身が就任した。黒田は2006年6月に退任、現在は日興證券出身の西裕介が代表に就いている。
[編集] 投資手法
2007年2月にTOBを仕掛けられた国内第3位のビールメーカーであるサッポロホールディングスの半期報告書によると、サッポロへの出資名義は「スティール パートナーズ ジャパン ストラテジックファンド(オフショア)エルピー」とし、タックス・ヘイヴンとして有名なケイマン諸島に住所を置いている。この手法はかつてのリップルウッドと同様である。また、その投資手法からハゲタカファンド、盗っ人 (steal) パートナーズと評されることもある。
サッポロホールディングスの案件をはじめとして、常任代理人はメリルリンチが務める事例が多数見受けられる。江崎グリコやブルドックソースと言った食品関連銘柄への投資が目立つのも特徴と言える。また、有価証券報告書でシチズン時計などが筆頭株主になったことが明らかになった。
[編集] TOBを実施した主な企業
- ソトー
- ユシロ化学工業
- 明星食品
- サッポロホールディングス