バット (北斗の拳)
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バットは、漫画『北斗の拳』に登場する、架空の人物。
[編集] 声の出演
[編集] 人物
元々はささやかな水場を守って暮らす老婆のトヨに養子として育てられていた。自ら口減らしのために出奔し、同じ牢獄に囚われたことからケンシロウと知り合う。以後半ば強引に行動を共にするが、当初はケンシロウと一緒なら何かと楽が出来るだろうというような、安易な気持ちからだった。ケンシロウとしても、その思惑は承知しつつ同行を許し、彼の要領の良さを微笑ましく思っていた節もある。
おっちょこちょいな性格で早とちりも多いが、おそらくは斜に構えた態度の裏に隠した心根の優しさを察したからでもあるだろう。ケンシロウを実の兄のように慕い、またケンシロウも彼を弟のように思っている。
ケンシロウの数々の死闘を間近に見るうち、著しい成長を遂げ、第二部からは、美形キャラとして登場し、帝都総督ジャコウの独裁に反旗を翻す勢力である「北斗の軍」の若きリーダーとなる。また、ラオウとジュウザ、ケンシロウ以外にその背を許さなかった黒王号に乗り、リンとケンシロウとを追って修羅の国の奥深くに入り込むなど、劇中で名だたる拳法に腕に覚えのない者としては、ある意味、人並外れた勇気と剛胆さを持つに至った。
ケンシロウと常に同行していたためか、わずかながら経絡秘孔の知識を身につけていたようであり、修羅の国でカイオウに突かれた破孔「死環白」がもとで、自分に思慕を寄せてしまったリンを、秘孔を突いて記憶を消し去り、「死環白」の所為から解放している。
原作の終章では、悪党ボルゲから受けた傷により、命を落としたと思われたが、ケンシロウが突いた秘孔(後頭部に北斗七星が浮かんでいた)によって一命を取り留め、リンと結ばれた。
戦士としてみれば身のこなしのすばやさが取得で、アインとふたりだけでジャコウ配下の城塞を陥落させたこともあった。しかし、ボルゲに手も足も出ずに敗れるなど、彼自身の戦闘力はそれほどでもなかった。
一方で「北斗の軍」のリーダーとしての指導力は多大なものがあり、ひとりの超人が世界を支配する世紀末の終焉を表現してもいた。