バレンシアの熱い花
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バレンシアの熱い花 は宝塚歌劇団のミュージカル作品。柴田侑宏作。
初演時、ほぼ同格のスターであった榛名・瀬戸内・順の持ち味を見事に生かすなど、脚本の質の高さで知られ、柴田氏最盛期の作品との声が高い。好評であり2年後の1979年に一部の配役を変更し東京で再演された。さらに2007年夏の上演が決定しており、名作の再演に期待が高まっている。
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[編集] あらすじ
19世紀初頭のスペイン、バレンシア地方。フランスの息のかかった領主ルカノールは横暴を繰り返していた。
前領主の嫡子フェルナンドは、父を暗殺したのがルカノールであると知り、復讐のため退役軍人レオン将軍の策に従い軍から退き遊び人を装う。
またロドリーゴも恋人シルヴィアを叔父に強奪され、専横を極める叔父に面と向かって逆らうこともできず、殺意を抱くほどルカノールを憎んでいた。
共通の敵を有する二人は協力してルカノールを倒すことを誓う。ラモンも一度は誘いを断るものの、妹がルカノールの部下に射殺され仲間に加わる。 彼らは「黒い天使」を名乗り、夜な夜な悪党を倒していった。
フェルナンドと酒場のイサベラは恋に落ちるが、フェルナンドは婚約者マルガリータを裏切れず、またイサベラも自身がフェルナンドが復讐のために持つ世界の側にいることを悟っていた。ロドリーゴはシルヴィアと互いの愛情を確かめ合う。
レオン将軍率いる義勇軍が決起し、ついにルカノールとの決戦の日が来た…
[編集] 登場人物
- フェルナンド・デルバレス侯爵:前領主の嫡子。マジョルカ島からバレンシアへ帰還し、父の復讐に燃える。
- ロドリーゴ・グラナドス伯爵:フェルナンドの友人でルカノールの甥。恋人シルヴィアを叔父に強奪され憎んでいる。
- ラモン・カルドス:酒場で働く青年。イサベラに恋している。
- ルカノール公爵:現領主。
- レオン将軍:退役軍人だが人望がある。
- イサベラ:酒場の女性。フェルナンドとは本来違う世界に住む人間だということを自覚している。
- シルヴィア:反逆罪で捕えられた父を救うためにルカノールの妻となる。
- マルガリータ:フェルナンドの婚約者でレオン将軍の孫娘。純粋にフェルナンドを慕っている。
[編集] 楽曲
- 「瞳の中の宝石」宝塚有数の名曲で、イベントの際にたびたび歌われている。
[編集] 初演・1976年
宝塚大劇場:11月12日〜12月5日。演出は柴田侑宏。伴演作は『紙すき恋歌』
[編集] 主な配役
[編集] 1979年の再演
東京宝塚劇場:11月2日~11月26日。演出は柴田侑宏。伴演作はグランド・レビュー『ラ・ベルたからづか -美しき宝塚-』
[編集] 主な配役
[編集] 2007年の再演
宝塚大劇場:6月22日~7月30日、東京宝塚劇場:8月17日~9月30日。演出は中村暁。伴演作はコズミック・フェスティバル『宙 FANTASISTA!』
[編集] 主な配役
[編集] 漫画化
宝塚ファンとしても知られる、さいとうちほによる作画。宝塚GRAPH誌・1998年9〜12月号に掲載され、その後以下の単行本に収録されている。
- 天使の微笑・悪魔の涙:小学館、1999年刊行。
- 銀の狼:小学館漫画文庫、2005年刊行。