ヒットマン (ゲーム)
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ヒットマン(Hitman)は IO Interactive が制作し、アイドスより発売されたステルス性重視のサードパーソン・シューティングゲーム。プレイヤーは暗殺者47(フォーティセブン)となり、様々な任務を遂行していく。
また、ヴィン・ディーゼル主演で映画を制作中である。
目次 |
[編集] シリーズ
発売順。【】内は対応プラットフォーム。
- Hitman: Codename 47 (ヒットマン: コードネーム47)
- Hitman2: Silent Assassin (ヒットマン2: サイレントアサシン)
- PS2・Xbox版のタイトルは Hitman: Silent Assassin (ヒットマン: サイレントアサシン)である。
- Hitman: Contracts (ヒットマン: コントラクト)
- Hitman: Blood Money (ヒットマン: ブラッドマネー)
[編集] ストーリー
- Codename 47
- 病院で目覚めた一人の男。彼には過去の記憶が一切なかった。男は「父」と名乗る謎の男の声に導かれ、病院の地下施設から脱走する。その後彼は生き延びるために謎の組織より命じられる任務を遂行し続ける。銃器の扱いや暗殺の技術は何故か体が覚えていた。男のコードネームは「47」。あらゆる困難な任務も完璧に遂行する47。任務を続けていく47は、やがて自分の誕生に秘められた陰謀を知る……。
- Silent Assassin
- 数々の困難な任務を遂行し、伝説とまで呼ばれた暗殺者、47。しかしある日突然、彼は裏の世界から姿を消す。自分の存在に疑問を感じた47は、組織と連絡を絶ち、修道院で贖罪の日々を送っていたのだ。恩師であり友人でもある神父の下、彼は庭師として働いていた。だがある日、神父が何者かに誘拐されてしまう。47を知る何者かが、47を利用するために神父を誘拐したのだった。47は神父を救うため、組織に神父の救出を依頼した。しかしその代償は、組織からの任務を遂行することだった……。
- Contracts
- 最高の暗殺者としてその名を知られる47。そんな彼がパリでの任務に失敗し、重傷を負ってしまう。失敗の原因は情報の漏洩、すなわち組織に裏切り者がいるとしか考えられなかった。追っ手から逃れ、かろうじて滞在するホテルにたどり着くが、失血により意識を失ってしまう。薄れていく意識の中、彼の過去の記憶がフラッシュバックしていく……。
- Blood Money
- 最高の暗殺者47は、あくまで伝説の人物としてその名を轟かせていた。しかし、ある記者がインタビューに訪れた元政府高官は彼が実在の人物だと言う。彼は、数日前にホワイトハウスで起きた副大統領暗殺事件と47の繋がりについて話し始めた……。
[編集] ゲームシステム
本作は、メタルギアに代表される、いわゆるステルスゲームである。しかしながら、メタルギアはいかに敵に発見されず、敵をやり過ごすかという点を重視しているのに対し、ヒットマンは変装というシステムを採用し、いかに敵に怪しまれずに任務を遂行できるか、という点を重視しているという違いがある。
本作の最も大きな特徴は、任務遂行の自由度の高さにある。ターゲットの暗殺方法は、狙撃や絞殺、毒殺、爆破など多彩で、さらに行動の制約がほとんどない。そのため、遠距離から狙撃するか、潜入し隠密に任務を遂行するか、銃を乱射して敵や一般人を排除しつつ任務を遂行するか、全てはプレイヤー次第となる。しかし本作は任務達成後、評価されるシステムとなっており、隠密に徹したほうが評価は高く、最高評価「サイレントアサシン」ではボーナスアイテムも支給されるようになっている。
また、最新作「Hitman:Blood Money」では新たに任務達成後の評価によって、報酬が左右されるマネーシステムや、目撃者の要素が加えられた。例えば犯行の現場を目撃されれば、47の特徴が知れ渡ってしまい、以降の任務に支障をきたしてしまう。この場合目撃者を始末するなどの対策が必要になる。また、マネーシステムを使って賄賂を送って目撃情報をもみ消したり、より強力な武器の購入なども可能である。コントラクトまでは評価でサイレントアサシンを取るのは武器の取得が目的であったが、Blood Moneyでは武器の取得ではなく殺しに対して支払われる報酬が増額するしくみである。すなわちBlood Moneyでは“よりスマートに”仕事を行い、高額な報酬を得ることが理想的となっている。
その他評価画面の後には47が起こした事件に対しての新聞紙面が表示され、記事の内容は殺害方法や使用した武器によっても変わる。例えば評価がサイレントアサシンで、殺害に改造を施したシルバーボーラーを使用しターゲット二人に一発ずつ発砲した場合、紙面には「2発暗殺者から発砲され、犯行現場からは弾痕と薬莢が発見されている。銃声を聞いた者は無くサイレンサーをつけた武器が使用されたことを意味し、プロの仕事である。犯行現場からは.45ACP弾の薬莢が発見され、おそらくカスタマイズされたシルバーボーラーが使用されたものと思われる。」などという事件についての詳しい記事が載る。同じくサイレントアサシンの評価で、銃殺ではなくターゲットを欄干から突き落とすなどして事故に装い殺害した場合、紙面の内容は事件についての詳しい記事が載る事もなく被害者の経歴などが記事の全般を占めている。殺害の評価結果が悪く賄賂を使った場合、新聞紙面の容疑者の写真は47とは全く違った人物の写真と挿げ替えられたりもする。
[編集] 登場人物
- 47
- 裏の世界で最高の暗殺者として知られる男。スキンヘッドで、後頭部にバーコードを刺青で刻まれている。オルトマイヤー教授達の手により殺人兵器として造られたクローンの一人。オルトマイヤー、フランツ、パブロ、ボリス、リーら五人のDNAを元に造られたという。
- ダイアナ・バーンウッド
- 「機関」に所属する謎の女性。47は彼女を通じて「機関」とコンタクトする。
- エージェント・スミス
- CIAの諜報部員。いつも任務でヘマをしており、そのたびに47に救出されている。
47の誕生にかかわる五人
- オットー・ヴォルフガング・オルトマイヤー
- 47の生みの親。通称「教授」。ルーマニアの精神病院を隠れ蓑に、クローン研究を進める。フランス外人部隊で出会ったフランツ、パブロ、ボリス、リーらのバックアップの下、クローン実験を完成させる。しかし、完成した47の引渡しを要求する四人が邪魔になった。そこで47を外の世界に放ち、その一年後、暗殺者となった47に「機関」を通して四人の暗殺を依頼した。結果は上々で、見事に暗黒界の四人のボスは暗殺された。最後に教授は、教授自身もいる精神病院のコバックス博士の暗殺を依頼し、47を罠にかけた。理由としては、47が未完成であるということと、次世代型の48が完成した、ということであった。教授の主張によると、47は感情を持っており、これが未完成の要素らしい。最終的に、47は48たち(10人ほどいた)を全員抹殺し、教授も「息子」である47に殺された。なおコントラクトではオートメイヤーと名前が出てきたが、名前からしてドイツ系であるので、Codename47で呼ばれていたようにオルトマイヤーが的確である。
- フランツ・フックス
- オーストリア出身で国際テロリスト・グループの一員。第二次大戦中はヒトラー・ユーゲントに所属。その後、フランス外人部隊に入隊する。フランツには、フリッツとフェビアンという弟がいる。フリッツは歯医者だが、フランツのテロを手助けしており、フェビアンは核といった危険物の取引をしている。
- パブロ・ベリサリオ・オシェ
- コロンビア出身にして同地の麻薬王。自身も重度の麻薬中毒者で、ハイになると悪魔のようだと部下も言っている。フランス外人部隊に所属経験あり。
- アルカディフ・ジェゴロフ 「ボリス」
- ロシアで武器の密売を手掛ける人物。通称「ボリス」。麻薬中毒者。反社会主義者で、旧ソ連時代にはアフガニスタンに武器を供給していた。フランス外人部隊に所属していた経験がある。イヴァン(イワン)というピエロのカッコをした部下がいる。
- リー・ホン
- 香港の裏組織、赤龍会のリーダー。ちなみに対立組織に青蓮会があるが、警察を交えた協定により休戦状態。香港支配の象徴である竜の像を持っている。中華料理店を本部に構えつつ、売春宿も経営している。好色家。フランス外人部隊に所属していた経験がある。ボディーガードにズン(Codename47ではツン)という男を従えている。